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平将明デジタル大臣、マイナ保険証一本化は「予定通り」

平将明デジタル大臣

デジタル庁は2日、平将明デジタル大臣の就任記者会見を開催した。「誰ひとり取り残さない、優しいデジタル化」に向けた取り組みを進めるともに、12月に予定されている「マイナ免許証」への一本化は、予定通りに進めるとした。

石破総理からは、「社会全体のデジタル化の司令塔」として、行政の縦割りを打破し、すべての国民にデジタル化の恩恵がいきわたる社会を構築すること、DFFT(越境データ流通と信頼性のある自由なデータ流通)構築に向けて世界をリードすること、AIの競争力強化と安全確保の取り組みを進めることなどを指示されたという。

平大臣は、デジタル庁発足の提案に携わり、提案から10カ月でデジタル庁が発足した。官僚とIT人材が同じビルの中でうまく仕事ができるか不安はあったというが、現状はよい状態で回っているとする。また、マイナンバーカードもデジタル庁発足時の普及率16%程度から、70%以上、9,300万枚を超えるまできており、実績を挙げているとする。課題については、「現業がかなり重い役所になっている。また政策立案を強化していく必要はある。もう一つはAIの進化が激しいので、AIを活用して、効率よく省力化され、利用者満足の高い行政を作っていくか。そのなかでAIの活用は重要だろう」とした。

9月末の自民党総裁選では、石破新総裁や林官房長官が、保険証の12月廃止についてやや否定的なコメントをした。平大臣は、マイナ保険証への一本化は予定通りに進めるとし、「石破総理からの指示も無い」とした。

保険証の廃止については、「新型コロナの時に、保険証にICチップが入っていないので、マスクの配布もできなかった。災害のときにも、お年寄りが避難した場合に持病の薬がわからないとかがありえる。そうした課題を解決できるのがマイナ保険証だと思っている。いつ、次のパンデミックや自然災害が起こるかわからない。皆さんのご理解をいただきながら、やっていきたい。さらに急激な人口減少・人手不足が進行していく中で、皆さんに満足してもらえる行政、社会保障サービスを実現するためにも不可欠だと思っている」とした。

一方、不安な人には「資格確認書」が申請無しで届く。そのため「従来の日程通りに進めたい」と説明。不安な人への周知も行なうとした。

資格確認書の発行コストもあるので保険証を残すべき、との問いには、「デジタル化は避けられない中で、『保険証に顔写真とICを入れる』、『マイナに一本化する』の選択肢であれば、二重投資を避ける意味でもマイナ保険証を進めるべき」と説明。「デジタル化による利便性の向上だけでなく、医療費全体の適正化や避難所のチェックイン・アウト支援などもできる。メリットにも目を向けてほしい」とした。

マイナンバーカードと免許証の統合は選択制となるが、マイナ保険証は一本化され、選択制ではない。保険証がそうならない理由については、「ご理解いただきたいのは、医療にかかる社会保障全体の金額ボリューム。デジタル化のメリットの桁が違う」とした。

そのほか、平大臣がこれまで力を入れてきた、地方創生やブロックチェーンなどについても言及。「地方創生は別に担当大臣がいるのでお任せするが、デジタル庁はデジタルの立場でやっていく。石破総理が提案した『地方創生2.0』では、10年前の地方創生担当副大臣時代ではできなかったことが、今はデジタルでできるようになった。ブロックチェーン、DAO(分散型自立組織)、NFTなどを使って、地方のアナログ価値を最大化できる。内閣府と連携してやっていきたい」とした。