ニュース
自動でピントが合うアイウェア「ViXion01S」を試した 59800円~
2024年9月26日 10:00
ViXionは、オートフォーカスアイウェア「ViXion01」の新モデル「ViXion01S」(ヴィクシオンゼロワンエス)のクラウドファンディングを26日10時より開始した。「Kibidango」と「GREEN FUNDING」で支援を受け付ける。価格は200台限定の超早期割引が59,800円など。
「ViXion01S」は、2023年のクラウドファンディングで4億円超の支援を達成した「ViXion01」のアップデートモデル。オートフォーカスにより自動でピントが合うアイウェアで、機能面は従来を踏襲しながら、デザイン面のフィードバックや乱視のユーザーからの要望を取り入れ、より普段使いしやすいデザインへ刷新している。前モデルと比較して約40%軽量化し、フレームもスリムにした。オートフォーカスにより視力を矯正するというアイデアは40年前からあったが、製品化したのは「ViXion01」が世界初。
メディア向けの体験会ではViXion01Sを試用できた。実際に手に取ってみると40%の軽量化は明らかに「軽い」と思わせる違いだが、重量バランスが変わっているのも大きな違い。前モデルは55gの重量だったが前方方向に重量が偏っているため、使用しているとどうしても前の方が重たい印象を受けてしまう。
新モデルは、31gに軽量化されたことで重量バランスが改善。前方が重いという違和感が減り、装着感がかなり改善されている印象を受けた。前モデルではフレームの太さが左右で非対称だったが、今回のモデルでは左右対称になっているのもよりフィット感を高めていると感じる。
自分に合わせてキャリブレーション
使用前には自分に合わせてキャリブレーションを行なう必要がある。まずは片目毎に左右のレンズの位置を調整。1m前後離れた目標物をみながら、レンズの中央に目標物が来るように、レンズを指で左右に動かして調整する。
ViXion01Sは近接センサーにより装着すると自動的に電源が入る。先ほどと同じように目標物をみながら、今度はピントを調整する。ViXion01Sの右側のツルの付け根あたりにあるダイヤルを回すことで調整が可能だが、左右で視力が違う場合は、さらに左側にあるダイヤルを回すことで左目の視力だけを調節できる。一度ピントを調整すれば、以降は設定が記憶される。ピントはマニュアルモードで任意の場所に固定することも可能。
筆者は前モデルを使用したことがなく、今回初めてオートフォーカスアイウェアを使用してみたが、思った以上にキビキビとしたオートフォーカスの反応に驚かされた。近いものから遠くのものをみても、ほとんど瞬時にフォーカスが合う。
オートフォーカス用のセンサーは眉間の間についており、焦点距離は5cm~無限遠までに対応。最近は老眼も進み、小さな文字は老眼鏡無しでは読めなくなったが、「小さな文字は目に近づければ見える」という、昔は当たり前だったことを久しぶりに体験できたのが面白い。
レンズのサイズは前モデルと同様のため、前モデルで指摘されていた「視野の狭さ」は同じだが、個人的な感想としては、そうしたデメリットよりも、ピントが自在に合うメリットのほうを強く感じた。
また、本製品は「アウターレンズ」にも対応しており、別売の乱視や偏光レンズなどをオートフォーカスレンズに重ねて装着できるようになっているが、矯正レンズも装着可能。ViXion01Sのレンズで対応できないエリアは、矯正レンズでカバーする使い方もできるため、ある程度視野の狭さはカバーできる。
バッテリー駆動時間は最大約15時間で充電時間は約3時間。重量はアウターフレーム無しで31g。アウターフレーム込みで45g。
将来はレンズを大型化
デザインも一新され、一般的なメガネのような外観に近くなっているのも特徴。これについてViXion代表取締役社長の南部誠一郎氏は、「前モデルは"いかにも"なデザインだったが批判的な意見もあった」としたが、あえて大胆なデザインした面もあるという。「先鋭的なデザインであっても、手に取ってくれた人が非常に多かった。実際にデザインのハードルがあったとしても、どういう人が買ってくれるのか、というところを知りたった」としている。
今後の課題は「レンズの大型化」。年単位での進行にはなるが、現在すでに開発中のものがあり、今後も継続的に開発を続けて行く方針。
本製品のオートフォーカスレンズはカメラのレンズのような機械式ではなく、柔軟性のある素材で作られたレンズの厚さを電気信号によって変更する仕組み。人間の水晶体に近い動きを再現することで、オートフォーカスを実現している。
このため、レンズの柔軟性が重要になるが、柔らかい素材は安定させるのが難しい。単純に大型化しただけでは、レンズが揺れて装着していると酔ったような感覚になってしまうという。
しかし、この点も解決の目処は付いてきていて、現在はベンチテストや臨床試験を行なっている段階にあるとしている。
価格は、超早期割引が59,800円(200台限定)、早期割引が62,800円(200台限定)、特別価格が64,800円、2個セット割引が119,600円、3個セット割引が179,400円。支援期間は9月26日~11月21日までで、発送は2025年4月以降順次。