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レバノンでの無線機爆発 アイコム「当社製の可能性は限りなく低い」

無線機メーカーのアイコムは20日、18日に発生したレバノンの民兵組織「ヒズボラ」使用の無線機が爆発した事件についての調査結果を発表した。当初の報道ではアイコムのロゴが入った無線機が使われたとされていたが、同社では「無線機が当社製のものである可能性は限りなく低い」と発表している。

レバノンにおいて、同社ロゴの入ったシールが貼付された無線機が爆発したという報道があったが、アイコムによる19日の第2報では当該無線機(IC-V82)は10年前に販売終了していると発表。同社が出荷した製品かどうかは確認できないとし、IC-V82は、2014年10月まで海外向けに生産・出荷していたもので、約10年前に終売しており、(爆発した無線機には)偽造品防止のためのホログラムシールが貼付されていないとしていた。

アイコムによれば、レバノンのメディアによる同国通信大臣のインタビュー映像において、「爆発した無線機は同国通信省を経由したものではなく、代理店を通じて輸入されたものではないこと」「公式に輸入されている製品に危険性はない」と言及しており、「レバノン当局は、爆発した無線機が当社製品ではないという認識を示している」(同社)としている。

また、同社の海外向け製品は、安全保障貿易管理の規定に基づく輸出プログラムを策定し、正規代理店に届くまで厳格な管理体制で輸出しているほか、同社の製造する無線機には、必ずシリアルナンバーを付与し、輸送に携わる運送会社やその手段・経路などの情報は、シリアルナンバーにひもづく形ですべて把握している。そのため、「正規代理店の流通経路において、特定のエンドユーザーが使用する無線機を標的として加工を施すことは、事実上不可能」と説明。これらの内容や、爆発した無線機にホログラムシール貼付がないことなどから、「爆発した無線機が当社製のものである可能性は限りなく低い」としている。

同社では、模造品対策に取り組むこととともに、安全・安心な利用のため、無線機を購入する際は、正規代理店から購入するよう呼びかけている。