ニュース

iPhone 16シリーズ登場 AIのためのスマートフォンとAirPods一新

アップルは10日、iPhone、Apple Watch、AirPodsなど、2024年秋の新製品を一斉に発表した。iPhone 16シリーズは最新プロセッサの搭載やカメラ機能を強化するほか、10月からApple IntelligenceをiOS 18.1以降で採用(日本は2025年から)。パーソナルな文脈を使いながら、ユーザーを支援する新たなスマートフォンの使い方をアピールした。

Apple Watch Series 10は、画面が大きくなり、薄型/軽量化されたほか、睡眠時無呼吸の検出機能を搭載。スピーカーの音質も強化した。

AirPodsは、最新の「AirPods 4」が登場。ノイズキャンセル対応など2つの「AirPods 4」が展開される。また、「AirPods Pro 2」に聴覚の健康をサポートする新機能を追加するほか、「AirPods Max」はUSB-Cに対応し、新色を追加している。

アップル ティム・クックCEO

AIのために設計したiPhone 16シリーズ

上位モデルの「iPhone 16 Pro/Pro Max」は、9月20日発売。価格はiPhone 16 Proの128GBモデルが159,800円から、iPhone 16 Pro Maxの256GBモデルが189,800円から。1TBまでのストレージを選択できる。

iPhone 16 ProとiPhone 16 Pro Max

「Apple Intelligence」のために設計したというスマートフォン。画面サイズは15 Pro/Pro Maxから拡大され、iPhone 16 Proは6.3型/2,622×1,206ドット、iPhone 16 Pro Maxは6.9型/2,868×1,320ドットのSuper Retina XDRディスプレイを搭載。OLED(有機EL)ディスプレイで、常時表示や、最大120Hzのアダプティブリフレッシュレート、True Tone、P3広色域などに対応する。

画面サイズを拡大しながら、ベゼルを薄型化し、本体のサイズアップは抑えている。外形寸法はiPhone 16 Proが149.6×71.5×8.25mm(縦×横×厚み)、iPhone 16 Pro Maxが163×77.6×8.25mm(同)。

iPhone 16 Pro/Pro Maxは、Apple独自のAI機能「Apple Intelligence」に対応。言語や画像を理解し、個人の文脈(コンテキスト)を活かして、日常的なタスクの簡素化や高速化を実現する。なお、「Apple Intelligence」は日本では2025年から対応予定。

Apple Intelligenceに対応

新たに本体側面に「カメラコントロール」ボタンを装備。クリックするだけでカメラアプリを起動でき、もう一度クリックすると写真を、長押しすると動画を撮影できる。タッチセンサーも備え、軽く押してズームなどのコントロールを表示し、露出や被写界深度の設定変更などが行なえる。

カメラはPro/Pro Maxともに3眼仕様で、4,800万画素のFusionカメラ、新搭載となる4,800万画素の超広角カメラ、1,200万画素の5倍望遠カメラを搭載する。動画撮影機能では、4K/120fpsのDolby Vision撮影に対応した。空間写真と空間ビデオの撮影にも対応する。フロントの「TrueDepthフロントカメラ」は1,200万画素。

オーディオでは、4基のスタジオ品質マイクを内蔵し、よりリアルなサウンドを収録できるようになった。風切り音を低減できるほか、空間オーディオ収録もできる。

搭載チップは、第2世代の3ナノプロセスで製造された「A18 Pro」。新しい6コアCPU(高性能コア×2、高効率コア×4)と6コアGPU、16コアNeural Engineで構成され、A17 Proと比べて、CPUは最大15%、GPUは最大20%高速化した。

バッテリー駆動時間が向上。iPhone 16 Proでは最大27時間、iPhone 16 Pro Maxでは最大33時間のビデオ再生に対応する。充電ポートはUSB Type-C。MagSafeで最大25Wのワイヤレス充電にも対応するほか、Qi2規格のワイヤレス充電もできる。OSはiOS 18で、衛星経由の緊急SOSや衝突事故検出などに対応する。

iPhone 16/16 Plusも9月20日に発売。価格は128GBモデルで、iPhone 16が124,800円から、iPhone 16 Plusが139,800円から。

画面サイズはiPhone 16が6.1型/2,556×1,179ドット、iPhone 16 Plusが6.7型/2,796×1,290ドット。新ボタン「カメラコントロール」を搭載し、カメラの起動から設定変更など、iPhoneのカメラ機能の多くを活用できる。カメラアプリ起動後は、ボタンから手を離さずにズーム、露出、被写界深度といったコントロールが可能。

カメラは4,800万画素のFusionカメラと1,200万画素の超広角カメラの2眼仕様。Fusionカメラでは、1,200万画素の2倍望遠撮影もできる。空間写真、空間ビデオの撮影にも対応している。

カメラコントロール

OSはiOS 18。今後のアップデートで、「Apple Intelligence」に対応。ユーザーが書いた文章を校正する「作文ツール」やメモアプリや電話アプリで使える文字起こし、会話の内容に合わせた絵文字を生成する「ジェン文字」、写真の背景にある不要なものを消せる「クリーンアップ」などに対応予定。

バッテリー駆動時間は、iPhone 16が最大22時間のビデオ再生、iPhone 16 Plusが最大27時間ビデオ再生。MagSafe、Qi2のワイヤレス充電に対応する。USB Type-Cによる充電も可能。

外形寸法/重量はiPhone 16が147.6×71.6×7.8mm(縦×横×厚み)/170g、iPhone 16 Plusが160.9×77.8×7.8mm(同)/199g。

睡眠時無呼吸を通知「Apple Watch Series 10」

「Apple Watch Series 10」は、画面の表示サイズを拡大したほか、薄型/軽量化し、使いやすさを向上。また「睡眠時無呼吸」の通知などの新機能を追加している。

Apple Watch Series 10

アルミニウムとチタニウムの2種類が用意され、9月20日から発売。価格はアルミニウムが59,800円から、チタニウムが109,800円から。42mmと46mmの2サイズ展開となる。

広視野角OLEDディスプレイを搭載し、Apple Watch Series 6世代との比較で約30%大画面化。斜めから見た場合の視野角は40%向上し、輝度は最大2,000nits。

Apple Watch史上最薄で、スピーカーシステムも刷新。ポッドキャストなどをWatchのみで再生できる。充電も30分で80%までの高速充電に対応する。新たに睡眠時無呼吸症候群の検出にも対応。1カ月睡眠を確認し、睡眠時無呼吸がおきたタイミングを記録できる。

また、「Apple Watch Ultra 2」のブラックチタニウムも発売される。価格は128,800円から。

Apple Watch Ultra 2のブラックチタニウム

AirPodsシリーズ一新 「AirPods 4」はノイズキャンセル対応

AirPodsシリーズも刷新。「AirPods 4」(AirPods 第4世代)は、9月20日発売で、ANC(アクティブノイズキャンセリング機能)非搭載モデルは21,800円、ANC搭載モデルは29,800円。

AirPods 4

イヤーピースを使わないオープンイヤーデザインは継承しながら、世界の人の耳に自然にフィットするように、2Dフォトグラメトリなどの技術を使って形状を最適化。数千の耳の形と合計5,000万以上の個々のデータポイントを正確にマッピングして分析し、装着感をより高める形状になっているという。

音質も大幅に改良したほか、「Siriに対する操作」に対応。「はい」なら首を縦に、「いいえ」なら首を横に優しく振るだけで、Siriの読み上げに応答できる。

ANCは外音声取り込み機能も搭載しており、周囲の音がより自然に聞こえるという。適応型オーディオ機能も搭載する。また、AirPodsを装着したまま自然な会話ができる機能も備えている。最大30時間の再生に対応する。

充電端子はUSB-Cに対応。ケースのサイズは前世代より体積が10%以上も小さくなったほか、ケースにスピーカーも追加。紛失した時も「探す」機能で見つけられる。

「AirPods Pro 2」では、難聴を予防するなど、聴覚の健康をサポートする機能を今秋に追加する。ヒアリングチェック機能とヒアリング補助機能で構成される。各地の保健機関からの製造販売承認を受け次第、米国、ドイツ、日本を含む100を超える国や地域で利用可能とする。

ヘッドフォンの「AirPods Max」は、充電端子が従来のLightningからUSB-Cに変更されるほか、ミッドナイト、スターライト、ブルー、オレンジ、パープルという5つの新しいカラーバリエーションとなる。価格は84,800円で、9月20日発売。