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吉野家、「高機能牛丼」研究開発 過食や肥満抑制の可能性

吉野家ホールディングス、太陽化学、京都府立医科大学は、産学連携による「新規高機能牛丼」の研究開発を進めている。その中で、牛丼とグアー豆食物繊維の組み合わせ摂取により、食後血糖上昇、過食、肥満などの抑制、サルコペニアやフレイル予防に役立つ可能性を示唆する新たな試験結果を発表した。

3者は生活習慣病を気にかける消費者の食の選択肢を広げることを目指し、2022年4月より京都府立医科大学へ産学連携共同研究講座「食と健康研究講座」を設置し、新規高機能を有する牛丼の研究開発を開始している。

この研究の中で、吉野家の「牛丼」を食べる際に、発酵性食物繊維であるグアー豆食物繊維(グアーガム分解物)を同時に摂取することにより、GIPやGLP-1などといったインクレチン(消化管ホルモン)やL-オルニチンやL-リジン、サルコシンといった血中アミノ酸濃度が増加、食欲ホルモンであるグレリンを抑制することがわかったという。

これはグアー豆食物繊維の摂取により、栄養吸収や消化管ホルモン分泌などが調節され、牛丼として摂取されたタンパク質、脂質、糖質などの栄養素が、より効率よく代謝、吸収された結果であると考察。これらの効果は、食後血糖上昇、過食、肥満などの抑制、サルコペニアやフレイル予防に役立つ可能性を示唆するものとしている。

試験結果については、9月8日に大阪公立大学(大阪市立大学) 杉本キャンパスで行なわれた第71回日本栄養改善学会学術総会の共催セミナーにて、京都府立医科大学大学院医学研究科 内分泌・代謝内科学(食と健康研究講座)の牛込恵美講師より発表された。

また、今回の新たな発見について特許出願を行なっており、今後さらなる検討を進める。

今後も、研究結果の詳細なメカニズムを探るとともに、コレステロール低下作用や血糖値上昇抑制効果などの健康機能を持つグアー豆食物繊維を配合した食品の研究開発や摂取シーンなどの想定を行ない、すべての人の食の選択肢拡大、健康な食生活を提案していく。