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キリン、低アルの新ブランド「華よい」 白桃・檸檬・葡萄

キリンビールは、低アルコールの新ブランド「キリン 華よい」を9月24日に発売する。価格はオープンで、店頭予想価格は350ml缶で167円前後。ラインアップは「白桃スパークリング」「檸檬スパークリング」「葡萄スパークリング」の3種類。アルコール分は3%で、果汁も含まれている。

RTD(Ready to Drink/栓を開けてそのまま飲めるアルコール飲料)市場は、'24年7月累月前年比105%と伸長しており、キリンビールでは今後の拡大も見込んでいる。ただし、飲食店などでRTDを飲むけれども、家ではあまり家で飲まない人が市場に3千万人おり、これは暮らし方や働き方の多様化による価値観の変化や、適正飲酒への関心の高まりによるものとしている。

また、お酒に対する意識は「お酒を選ぶときには度数を気にしている」が上昇。お酒の購入率は全世代で低下傾向にあるが、特に20代で低下が顕著となっている。

一方で「お酒は気軽に楽しむもの」「適量のお酒は人生を豊かにする」というお酒への期待があることも明らかになったという。こういったニーズに応えるため、新しいお酒との付き合い方を提案する新ブランドとして華よいを投入する。

また、RTDユーザーでも「お酒を飲みすぎないように常に気を付けている」という人は多く、ただ低アルコールRTDは甘いというイメージから敬遠する人もいる。そこで、華よいでは「飲みやすいけど、程よいお酒感が感じられるおいしさ」を提案する。なおキリンビールは、低アルコールを特徴としたRTDブランドは現在は展開していなかった。

華よいは、凍結した果実をお酒の中で粉砕し、果汁やピューレと漬け込むことで、果実の香りやうまみを閉じ込めた「果実浸漬酒」を隠し味として使用。従来の果汁とウォッカの組み合わせでは果汁感はあるもののお酒臭さを感じる場合もあった。果実浸漬酒により、果汁感がありながらお酒臭くない味わいを実現したとしている。

また、果皮等に含まれる苦みやえぐみも味のアクセントとして生かし、その複雑味でアルコール分3%のお酒としての物足りなさを支え、お酒感が感じられる味わいにつなげている。果汁は、白桃が1.9%、檸檬が0.6%、葡萄が2.8%。

キリン 華よい 白桃スパークリング
キリン 華よい 檸檬スパークリング
キリン 華よい 葡萄スパークリング

主なターゲットは、20~30代前半のお酒は飲めるが家ではあまり飲まない層および30~40代のRTDユーザー。9~12月の販売数約80万ケース(350ml×24本換算)を目指す。

発表会では試飲できたが、甘さは控えめで、口の中にまったりとした感覚が残ることのないすっきりとした印象。昨今RTD市場で増えている無糖タイプを意識しているようにも感じた。

キリンビール マーケティング部 RTDカテゴリー戦略担当カテゴリーマネージャー 松村孝弘氏(左)、マーケティング部 商品開発研究所 中味開発グループ 増田春花氏(右)