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Jリーグ試合会場でマイナカード活用の実証実験 アウェイ来客把握など

デジタル庁は、Jリーグの試合会場でマイナンバーカード実証実験を実施する。マイナンバーカードの住所情報などを使ったホーム・アウェイ来客の把握や特典提供や、選手との写真撮影などの“特典”付与時の不正防止などの効果を検証する。

実証実験は、11月1日のJ1「川崎フロンターレ vs 鹿島アントラーズ」と11月9日のJ1「湘南ベルマーレ vs 北海道コンサドーレ札幌」で特典があたる抽選会を実施し、試合会場を訪れた人はだれでも参加可能な形で、スタジアム場外で展開する。マイナンバーカード提示者全員の住所情報等を活用し、参加を希望する人のマイナンバーカードを読み取り、顔認証を行ない、住所情報等をもとに抽選する。

抽選では、住所情報等により区分された特典がもらえる仕組みとなり、例えば、アウェイサポーター向けの特典や、選手の出身地別おもてなしなどを実施する予定。

加えて、特賞として、選手との記念写真を撮れる特典(写真撮影会)も準備している。この場合、当選者に対し、体験・特典受取ブースでマイナンバーカードを読み取り、顔認証を行なうことで本人確認し、不正な特典利用を防ぐという。

政府では、マイナンバーカードの普及とあわせて、民間事業者の活用拡大にも取り組んでいる。これまで、フェス会場での限定エリア入場や不正転売防止、酒類販売等の年齢確認、バイクレースの事故リスク誓約書などで活用してきた、今回、その一環として、ドリームインキュベータ社と共同で、Jリーグの協力を得ながら実証実験の内容を協議し、Jリーグのホームタウン活動と連動する施策として実証を行なう。

Jリーグチームでは、チケットの購入者など一定の情報は取得できるものの、同行者や招待者の情報やアウェイチームの応援に来ている人の動きなどの把握が難しかったという。今回の実証実験は、こうした人を含む来場者の住所情報を把握することで、域外・域内の周遊動態に応じたホームタウン活動への活用可能性を検証する。

なお、今回の実証で取得する住所情報は、実証実験の評価・報告のためだけに用いる。将来的には、来場者同意のもとで周遊動態把握などの実現可能性を検討していく。