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povo3.0は“オープン化”を加速 他社アプリ上でトッピング購入

通信サービスの「povo2.0」が今後3.0になると、何が変わるのか。KDDIグループのビジネスイベント「KDDI SUMMIT 2024」で開催された講演で、その一端が語られた。

「povo2.0から3.0へ」と題した講演に登壇したのは、povo2.0を提供しているKDDI Digital Life 代表取締役社長の秋山敏郎氏。同社は2月にスペイン・バルセロナで開催された「MWC Barcelona 2024」に合わせて“オープン化戦略”を発表しており、今回はその進捗が語られた形となる。

KDDI Digital Life 代表取締役社長の秋山敏郎氏

povoのオープン化戦略とは、APIを公開し、SDKを配布して、サードパーティが自社のアプリ内に、povoの「データトッピング」(通信量)を購入できるといった機能を組み込めるようになるもの。

ユーザーが普段接しているサービスそれぞれに「コネクティビティ」(通信サービス)を提供でき、通信サービスが、商品やサービス・コミュニティに溶け込み、体験を拡張していくという方向性の取り組みになる。2月時点では試験的に「SHOWROOM」が対応していた。

ユーザーが普段接しているサービスそれぞれの場所で「コネクティビティ」を提供、利用体験を拡張していく

9月4日の講演で秋山氏は、新たにワイヤ・アンド・ワイヤレス(Wi2)と富士ソフトが、povo SDKを利用してアプリを開発中と報告。さらに「ABEMA」とも協議中であることが明らかにされた。

オープン化戦略により、APIを活用するアプリをWi2、富士ソフトが開発中。さらに「ABEMA」とも協議中であることが明らかにされた

povoのオープン化戦略は、povoの色を強く打ち出さない“ホワイトレーベル”として提供するのも特徴で、サードパーティ製アプリの中で表示されるメニューや内容、色などもカスタマイズ可能。

「モバイル通信が、(サードパーティが提供する)商品やサービスに“溶け込んでいく”という方向性」(秋山氏)としており、幅広い業界に向けて提案していく方針。

またこれらの意味で、povoは従来のMVNOとは異なるとも主張する。3.0のコンセプトが拡大すると、通信サービス部分はKDDIが提供する一方、APIの公開などを通じて、エンドユーザーとの接点はサードパーティなどパートナー企業と一緒に取り組んでいく形になり、「それぞれの業界で、どう通信が役に立つのかがテーマ」(秋山氏)としている。

従来のMVNOとは異なるとした