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生成AIは「過度な期待」続く、ヒューマノイドで製造業変革 24年版ハイプサイクル

日本における未来志向型インフラ・テクノロジのハイプ・サイクル:2024年 出典:ガートナー

ガートナージャパンは、今後の技術やトレンドを40のキーワードで取り上げた「日本における未来志向型インフラ・テクノロジのハイプ・サイクル:2024年」を発表した。検索拡張生成(RAG)やヒューマノイドなど5項目が追加されたほか、注目の「生成AI」は2023年版に続いて「過度な期待のピーク期」に分類されている。

ガートナーは発表の中で、生成AIは「過度な期待のピーク期」を進行中で、AI関連の技術は今後、さまざまな用途・業種に広がると指摘、複数技術を複合化させていくトレンドが継続するとしている。

企業が注目すべき新技術として新たに追加されたのは、検索拡張生成(RAG、Retrieval Augmented Generation)、マシン・カスタマー(顧客ボット)、ヒューマノイド(人型ロボット)、エンボディドAI(身体性を持つAI)、LBM(Large Behavior Model:大規模振る舞いモデル)の5つの項目。

2024年版で追加された技術の中では、検索拡張生成(RAG)が「過度な期待」のピーク期に位置付けられた。RAGは大規模言語モデル(LLM)と検索のハイブリッド・アプローチで、企業は自社データを生成AIの出力に組み込めるため、より業務に特化した生成AIの利用が期待されるとしている。

ヒューマノイドも注目すべき項目として取り上げられた。海外では自動車企業が工場にヒューマノイドを投入して製造業に変革をもたらそうという動きがあるほか、世界の自動車業界で、デジタル化を前提としたモビリティ産業への転換が加速していると指摘。日本企業もトレンドへの対応やAI・ヒューマノイドとの“共生”が重要なテーマになるとしている。

ハイプ・サイクルはガートナーが提唱する図で、新しい技術の成熟度や社会に浸透していく過程を5段階に分けて示している。企業の投資判断の参考情報として提供されており、ハイプ・サイクルの頂点近くにあるものは、期待値と現実のギャップが大きく注意が必要としている。