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モス新業態、池袋駅にドリンクスタンド「Stand by Mos」

モスバーガーを展開するモスフードサービスは、新業態のドリンクスタンド「Stand by Mos」を、東武東上線 池袋駅中央1改札内にて8月9日9時にオープンする。主に規格外品などで廃棄されてしまう野菜を使用したドリンクを提供する。

食品ロス削減や産地・生産者の支援および、新業態による超狭小物件へのさらなる出店に向けた検証を目的とした取り組み。また、野菜を多く使用したメニューを提供することで、健康志向の高まりにも応える。

新業態に関してモスフードサービスではこれまでも、外食産業を取り巻く環境の変化に合わせて、都心一等地に出店できる小型店舗やキッチンカーなどの新業態に挑戦しており、Stand by Mosもその一環。モスバーガーは通常店舗で25坪以上、フードコートの場合は10坪以上が目安となるが、Stand by Mosはハンバーガーを取り扱わずドリンクのみということもあり4.95坪の場所に出店できた。

投資金額は、テナントとして出店するビルイン店舗のモスバーガーの場合は6千万円ほどかかるところ、Stand by Mosでは約1/3の2千万円で出店できたという。

提供する商品は野菜や果物を使用したジュースやスムージーなど。味や風味は問題がないものの、サイズが大きすぎる・小さすぎる、表面にキズがあるなどの理由で本来は廃棄されるはずの規格外品や野菜の端材を使用することで、食品ロス削減、産地・生産者の支援につなげる。売上は月500万円の計画で、計画通りにいけば年間4.6トンのフードロス削減につながるとしている。

モスバーガーでは独自に関係を構築した全国117産地、2,379軒の契約農家で、農薬や化学肥料の使用を継続的に削減する姿勢を持つ農家によって栽培された「モスの生野菜」を使用している。Stand by Mosでは「モスの生野菜を使ったドリンクで都市生活の中であっても、自然・季節を感じてもらいたい」という想いから、「いつでも自然を、あなたのそばに」をブランドコンセプトに掲げる。

Stand by Mosの名称については、ドリンクスタンドを目的地までの休憩・癒しスポットと考え、“次の移動のStandby(スタンバイ)”の意味を含ませている。

看板商品は、モスの生野菜の中で規格外となったトマトと、パタゴニアソルトで作った加熱処理なしの「しっかりトマトなモストマトジュース」。トマトジュースは熱を加えて濃縮還元したドロッとしたタイプのものが一般的だが、Stand by Mosでは生のトマトをそのまま絞って、少量の水とソルトを加えてミキシングしている。発表会では試飲ができたが、トマトをかじった時のような、素材そのままの味を感じることができた。

また、厚生労働省が進める成人が1日に必要な野菜摂取量目標 350gの約1/2を摂取できるとしている。価格は420円/180ml。

トマト関連では「ちょっぴりフルーティーなモストマトスムージー」もラインアップ。モスのトマトと青森県産りんご果汁を合わせた、フルーティーで飲みやすいスムージーに仕上げている。野菜摂取量目標の約1/3を摂取可能。価格は500円/180ml。

そのほか7種、計9種のドリンクをラインアップ。原材料については、トマトと同様にモスの生野菜の中で規格外となったものを使用するほか、モスバーガーでは使用していないバナナや生姜、レモンなどについては規格外となったものを仕入れている。

「しっかりベジーなモスグリーンスムージー」は、えぐみの少ないサラダほうれん草を使用したグリーンスムージーで、野菜摂取目標の約1/3を摂取できる。価格は500円/180ml。

「きゅんと甘ずっぱいモスベリーベリーベリースムージー」ストロベリー、ブルーベリー、ラズベリーを使用。甘みと酸味のバランスが良いブランドいちごの福岡県産「あまおう」と栃木県産「スカイベリー」のそれぞれのソースを使用し、飲みやすい甘ずっぱさに仕上げている。価格は500円/180ml。

「さっぱりリフレッシュ!モスレモネード」は、広島県尾道市瀬戸田町産の、皮まで食べられる「せとだエコレモン」をシロップに使用した鮮烈な香りが特徴。レモンスライスには、本来は形状不良で廃棄されてしまうレモンを使用している。価格は420円/210ml。

「ほっこりスパイシーなモスジンジャーラテ」は、シロップに高知県産の生姜と国産の加工黒糖を使用。生食には向かないことから廃棄されてしまうことが多い親生姜を使っている。価格は420円/210ml。

「こっくりスイートなモスバナナミルクスムージー」は、皮の黒味が強いなどの理由で本来は廃棄されてしまう規格外のバナナを主に使用。素材を活かすために合わせるのは牛乳のみで、濃厚なバナナの甘みが楽しめるとしている。価格は500円/180ml。

モスバーガーと同様の商品「まぜるシェイク 新生獺祭<ノンアルコール>」と「モスシェイク バニラ」も販売。まぜるシェイク 新生獺祭は旭酒造の純米大吟醸「新生獺祭」の米麹甘酒「新生甘酒」を使用したノンアルコールシェイク。モスバーガーでは7月17日から数量限定で販売しており、発売から2週間で約20万杯に達するという人気商品となっている。価格は480円/210ml。モスシェイク バニラの価格は340円/210ml。

出店が東武東上線 池袋駅改札内であることは、モスバーガー第1号店が東武東上線沿線の成増駅にあることも関係している。モスバーガーが創業50周年を迎えた2022年に「成増駅」ホームと南口の駅名看板を「なりもす駅」に変更する企画などを、東武鉄道とのコラボレーションで実施。それ以来の交流を通して、Stand by Mosの第1号店を東武東上線の改札内に出店することとなった。営業時間は9時から21時。

今後の出店計画については、まずは池袋の1店舗で客層や人気商品の傾向を1年かけて検証し、うまくいけば5年で100店舗を目指す。また、テストマーケティングの場という位置付けもあり、人気商品をモスバーガーで展開するという動きも予定している。

プロジェクト責任者のモスフードサービス 執行役員 社長室長 金田泰明氏