ニュース

近距離モビリティのWHILL、無人貸出に対応

近距離モビリティのWHILLは、法人施設向けサービス「WHILLモビリティサービス」でアプリからWHILLの無人貸出に対応開始した。施設運営者の省人化ニーズや貸出環境に適した、安心かつ負担の少ない形態で運用できる導入パッケージを提供する。

「WHILLモビリティサービス」は、時速6km以下で走行する「歩行者」扱いの近距離モビリティ「WHILL」と機体管理システム、保険とメンテナンスサービスをパッケージ化した法人施設向けの移動サービス。2023年6月より提供を開始開始している。他社が提供するシェアリングサービスのようなA地点からB地点への交通を担うものではなく、商業施設やテーマパークなど一定のエリア内の周遊を目的とし、半日や終日など長時間利用を想定する。

実際の導入施設では、再来場の促進、足腰に不安のあるシニア世代やその家族の利用増による来場者層の拡大、行動範囲が広がることによる施設滞在時間の延長など、一定の効果があることが確認されているという。

現在導入されている施設はテーマパークや観光エリア、商業施設など多岐にわたり、最近ではホテルや広大な敷地を有するリゾート施設での導入も増加。WHILL付きの宿泊プランやリゾート内をアクティビティ感覚で周遊できるモビリティとして、高齢者だけでなく家族全員で利用できる乗物として活用されている。

ニーズに合わせ無人貸し出しも可能に

新機能として、施設状況に応じて、有人か無人での貸出オペレーションを選択可能。広い駐車場の敷地内など、利用者の導線上、貸出拠点が必要とされながら受付の設置が困難だった場所にも、無人の貸出拠点を配備できる。利用ニーズに応じて、敷地内に有人/無人を組み合わせた複数の貸出拠点を置くことも可能。

併せて、施設運用者向けに、機体の貸出履歴や機体の状態、走行ルートなどを遠隔で確認できるほか、貸出管理も可能な機体管理システムも用意している。

導入の初期費用は一律100,000円(機体送料別)。レンタル費用は月額20,000円~で、貸出利用中のケガや対人/対物の補償をカバーする保険が含まれる。オプションでアプリや機体管理システムのITパッケージを組み合わせることも可能。

利用者に対する貸出料金は、施設側で自由に設定できる。無料提供も可能だが、有料提供時の貸出価格は各社で設定できるため、収益の確保にもつながるとしている。

機体はWHILLの全3モデルから選択可能。テーマパークやホテルなど屋内外両方でも使いたい場合は、乗り心地と走破性、小回り性能を兼ね備える「Model C2」、飲食店の店内や商業施設などでは折りたためて保管もしやすい「Model F」、大型の公園や自然散策するような勾配や段差がある場所ではハンドル付きで安定して走行しやすい「Model S」など、ニーズに合わせて最適なモデルを採用できる。

WHILLはいずれも免許やヘルメットが不要の「歩行者」扱いで、時速6km以下の歩行速度で走行。同行者と同じペースで移動でき、操作も直感的なため、年齢問わず利用できる。

レンタルアプリは、スマートフォンにダウンロードしてアカウント登録することで利用可能。マップ上にはWHILLを借りられる施設や場所、利用できるウィルのモデルや貸出方法が表示され、出かけるまえにWHILLモビリティサービスの有無を調べられる。

貸出時は、利用する機体と利用プランを選択して決済完了した上、機体に貼付されたQRコードを読み取ることで解錠、利用を開始する。乗車中はアプリから施錠可能。利用後は貸出場所に機体を戻し、アプリで返却手続きを行なう。