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ウイルスバスター、電話による特殊詐欺対策機能 NTTタウンページと連携

詐欺電話発信時の警告イメージ(左:iOS、右:Android)

トレンドマイクロは、詐欺電話のブロック、ディープフェイクをAIで検出する機能(ベータ版)を搭載した「ウイルスバスター トータルセキュリティ プレミアム + 詐欺電話ブロックサービス(月額版)」を、8月1日より販売開始する。NTTタウンページとの連携による、発着信時に通話先情報を確認できる機能も搭載する。

特殊詐欺、SNS型投資詐欺、SNS型ロマンス詐欺への対策を強化するための機能。ウイルスバスターシリーズでは、不正なサイトやメール、SMSなどを検出する機能を提供してきたが、インターネットだけではなく電話の発着信にも対処することで特殊詐欺への対策をさらに強化する。また、AIにより生成、改変されたコンテンツであるディープフェイクをAIの技術を活用して検出する。

詐欺電話ブロックサービスでは、詐欺電話ブロック機能、詐欺電話番号への発信時の安全確認連絡サービス、ディープフェイクを使ったビデオ通話の検出機能(ベータ版)の3つを提供。

詐欺電話ブロック機能および安全確認連絡サービスのイメージ図

詐欺電話ブロック機能では、特殊詐欺の疑いのある電話番号からの着信をブロック。また、近年詐欺への悪用が見られる国際電話を着信した場合には警告を表示する。

発信においては、同サービスが提供する専用アプリを使用して、特殊詐欺の疑いのある電話番号に発信しようとしたときに警告メッセージを表示する。また、国際電話への発信時にも確認のために警告を表示する。なおiOSでは、国際電話についての警告は発信時のみ。

そのほか、NTTタウンページとの連携により、約560万件のタウンページ掲載の電話番号をデータベースに保有し、発着信時に画面上で通話先の企業名などの登録名称を確認できるようにする。

詐欺電話ブロック機能および安全確認連絡サービスのイメージ図

詐欺電話番号への発信時の安全確認連絡サービスでは、特殊詐欺の疑いのある電話番号への発信があった場合に、本人または登録した家族の電話番号にサポート担当者から安全確認の連絡を行なう。

ビデオ通話の検出機能では、ディープフェイクを使ったビデオ通話やライブ配信を検出し、通話相手になりすました可能性がある際は警告を表示する。LINE、Teamsなどのビデオ通話機能があるアプリや、YouTube、Instagramなどのライブ配信機能があるアプリに対応する。ベータ版での提供で、正式実装は未定。

ディープフェイク検出時の警告イメージ

価格はオープン。販売は一部のドコモショップで、今後、販売店を拡大予定。対象OSは電話機能を有するAndroid 7以上、iOS 13以上。iPadOSは非対応。また、ビデオ通話でのディープフェイク検出機能については、iOS 14以上かつメモリ4GB以上の端末で利用可能で、Android端末では利用できない。

警察庁の公表によると、2023年度の特殊詐欺における認知件数は前年比+8.4%、被害額は前年比+22%と、それぞれ増加傾向にある。特に、有料サイトやサービスなどに対する架空の未払い料金をだまし取るなどの架空料金請求詐欺においては、認知件数が前年比+77.9%と大幅に拡大している。

さらに近年では、SNS型投資詐欺やSNS型ロマンス詐欺と手口も、前年同期比(2024年1月~5月)で認知件数が+3,201件と増加している。