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三井住友カードがELYZAの生成AI導入、問い合わせ応対時間6割減へ

三井住友カードとELYZAは、三井住友カードが運営するコンタクトセンターにおいて、ELYZAが提供する生成AIの本番利用を開始したと発表した。オペレーターの応対速度の向上を図るもので、ユーザーの利便性向上に生成AIを活用する取り組みは、クレジットカード業界で先行事例になるとしている。

コンタクトセンターにおいて、ELYZAが開発した、検索拡張生成(RAG)技術を用いた生成AIを導入。応対スピードの向上や問い合わせチャネルを強化する。RAG(Retrieval-Augmented Generation)は、LLMによるテキスト生成に外部情報の検索を組み合わせることで、回答精度を向上させる技術のこと。ELYZAが開発するLLM実用化プラットフォーム「ELYZA App Platform」経由で提供される。

キャッシュレス決済の普及やクレジットカードの新規申し込みが拡大する中、コンタクトセンターには月間約50万件を超える問い合わせがあり、対応品質や対応可能件数の向上は急務になっているという。近年急速に進展している生成AIは、コンタクトセンターの業務高度化や効率化に寄与でき、ユーザー対応品質の向上にも貢献できるとする。

ELYZAが提供する生成AIは、RAG技術などの高度な活用が可能な一方、独自のLLM活用基盤に支えられた堅牢な生成AIで、セキュリティ基準の高いコンタクトセンターでもリスクを抑えながら活用できる点が評価され、導入に至った。

生成AIにより、三井住友カードのコンタクトセンターに寄せられる問い合わせに対し、検索拡張生成(RAG)技術を活用して社内データを検索(探索AI)して、回答の草案を自動で生成(回答生成AI)する。

2024年6月末から、コンタクトセンターのメール回答業務で利用を開始。年内には同様の生成AIをチャットでの問い合わせにも展開予定で、その際には業務用アプリケーションにAPIで組み込みを行なう想定になっている。

最終的には、オペレーターの生産性向上効果として、ユーザーからの問い合わせ対応にかかる時間が最大で60%程度短縮される見込みとしている。