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ディープフェイクが選挙に影響 アドビがフェイク情報と生成AIについて調査

アドビは、米国、日本、欧州を含む世界6,000人以上の消費者を対象に、インターネット上でフェイク情報に遭遇した経験や、生成AIがもたらす影響への懸念などについて、グローバル調査「Future of Trust Study」を実施した。

この調査は、アドビの「責任あるイノベーションに関する取り組み」の一環として実施されたもの。調査によれば、デジタルコンテンツの信頼性を検証するツールに対する消費者のニーズの高まりと、誤情報が各国の選挙の公正性に及ぼす影響について積極的な対策が急務であることが浮き彫りになっているという。

特に、目前に控えた米国大統領選挙に向けて、過熱する両陣営の選挙戦・情報戦に世界の注目が集まる中、本調査結果は公平な選挙におけるデジタルコンテンツが担う影響力について、世論の声を示す一つのベンチマークとなっている。

多くの消費者(米国70%、日本68%)は、オンラインで接するコンテンツが信頼できるかどうかを確認することが難しくなっていると回答しており、ほとんどの回答者(米国84%、日本83%)が、オンラインで接するコンテンツが改ざんされやすく誤情報になることに懸念を表明している。

オンライン上の情報に対する透明性への関心はより高まっており、過半数以上の回答者(米国76%、日本57%)が、コンテンツが生成AIで作られたかどうか判別できることが重要であると回答している。

デジタルコンテンツへの信頼が低下する中、消費者は選挙の公正性の担保も懸念を抱いている。

今年は世界各国で重要な選挙が行なわれ、40億人以上の有権者が選挙に参加することになる中、多くの消費者(米国80%、日本73%)が、誤情報や有害なディープフェイクが将来の選挙に影響を与えると考えているという。

閲覧しているオンラインコンテンツが真実かどうかを判断するためのツールが普及していないため、選挙候補者がプロモーションコンテンツに生成AIを使用することを禁止すべきと考えている人も多い(米国78%、日本61%)。

消費者の大多数(米国83%、日本72%)は、政府とテクノロジー企業が協力して、ディープフェイクや誤情報から選挙の公正性を守るべきだとしている。

また、多くの消費者(米国88%、日本77%)は、オンラインコンテンツが信頼できるかどうかを確認するための適切なツールが不可欠であると考えており、誤情報に対する懸念は、それが子どもに及ぼす潜在的な影響についても及んでいる。ほとんどの消費者(米国84%、日本78%)が、学校のカリキュラムの一環としてメディアリテラシーを子どもたちに教えるべきだと答えている。

調査は、アドビがAdvanisと共同で、米国2,012人、日本1,023人、英国2,002人、フランス1,043人、ドイツ1,020人の18歳以上の回答者を対象に実施したもの。データは、3月にオプトインの非確率的データサンプリング手法で収集された。