イオン、AIが割引価格を出す「AIカカク」畜産と水産に拡大

イオンリテールは、日本IBMと開発した、AIが適切な値引き率を提示する「AIカカク」の適用を拡大。すでに実装している惣菜部門と日配品の一部に加え、5月8日より畜産部門に、5月22日より水産部門に拡げる。

あわせて、客数と商品の需要予測をもとにAIが最適な発注数を提示するシステム「AIオーダー」の適用を、6月から新たな日配品(漬物やチルド飲料、チーズ、ハムなど)、およびデリカの冷総菜やサラダへと拡大する。

AIカカクとAIオーダーの開発にあたっては、日本IBMのデータ・サイエンティストとコンサルタントが、AIなどを活用した予測モデルや最適化モデルの構築、システム構築を支援している。

AIカカクは'21年5月に導入し、過去の販売データに基づきAIが適切な値引き率を提示。データに裏付けされた売り切り価格で販売することで、導入前と比べ、ロス率が1割以上低減しているほか、値引きや売り切り業務に関わる店舗スタッフの教育時間も低減した。

今回の拡大により、部門ごとの販売特性や値引きによる売れ方の変化などを細やかに分析。店舗特性も考慮したうえで、予測と売価最適化モデルにさまざまなチューニングをしている。適用品目数は約1,200品目で、導入店舗はイオンリテールが運営する約380店舗。

AIオーダーは'23年以降、日配品約1,000品目を対象に、関東・北陸信越・東海・近畿・中四国の約380店舗に導入。発注にかかる時間が半減され、入荷整理や品出し、在庫管理、値引き、発注修正など店舗商品管理における業務負荷が減少。大きな生産性向上につながるなどの成果が確認できたため、今回、適用範囲をさらに拡大することとなった。