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LIXIL、自動で掃除するトイレ 3つの水流と泡洗浄
2024年3月7日 08:00
LIXILは、トイレ掃除を自動で行なうタンクレストイレ「SATIS X」を6月3日に発売する。価格は497,000円~。
同社の調査によると、家事のストレス度が最も高いのが「風呂掃除」だが、その次に高いのが「トイレ掃除」で、特に面倒なのは便器の内側の掃除だった。だが、トイレはシャワートイレや、自動洗浄など利便性の進化はしてきたが、清掃のしやすさについてはあまり進化してこなかったという。
SATIS Xは、LIXILのトイレ製品の新たな最上位モデル。従来のタンクレストイレとしての機能はそのままに、便器の内側を清潔に保つ自動掃除機能を備える。
自動掃除機能は、「極みトリプル水流」「泡クリーン」「ノズルオートクリーニング(パワフル)/シャッタークリーニング」の3つ。
極みトリプル水流は、水を3方向からムラなく流すことで、便器の内側の汚れを洗い落とす機能。便器の汚れは付着して時間が経つと落ちにくくなるため、強力な水流で時間が経つまえに洗い落とす。従来、トイレの水流は1方向から流れるのが一般的で、例えば右側から水流が流れれば、左側に水流が流れて来るころには水の流れが衰えており、汚れが付着していた場合に洗い落とせないことがあった。
極みトリプル水流では、吐水口の形状を工夫し、従来よりも細長い吐水口とすることで、水の勢いを強くしている。ホースの先をつまんで細くすると、水の勢いを強くできるのと同じ考え方だ。そうした吐水口を左右に2つと、中央にも吐水口を備え、右側、中央、左側と順番に水流を流すことで、便器の内側全体を勢いのある水で洗浄できるようにした。3方向同時に流す方法も考えられるが、その場合水の勢いが1/3になってしまうため、3カ所から水を別々に流すことでそれぞれ100%の勢いで水を流せるようにした。
水を大量に使うようにみえるが、大便の場合の洗浄で使う水量は6Lで、節水トイレの基準とされる6.5Lよりも少ない。
泡クリーンは、1日1回、自動で便器に泡を満たして汚れを落とす機能。便器表面に付着した目に見えない微細な汚れを除去するもので、泡となった洗剤が便器内を満たし、3時間つけ置き洗いを行なったあと、自動的に泡が排出される。
専用の洗剤か食器洗い用の中性洗剤を専用のカートリッジに入れておくと、睡眠中や外出中など、希望の時間をセットしておけば自動で動作する。ボタンを押して任意のタイミングで作動させることも可能。3時間の洗浄中にトイレを使った場合は、その日の自動設定はキャンセルされるが、ボタンを押して再度動作させることは可能。
ノズルオートクリーニング(パワフル)/シャッタークリーニングは、便器の使用後にノズルを従来の2倍以上の水流で洗い流す機能。使用後にはノズルのシャッター部分も洗い流す。
カラーは、ノーブルグレー、ノーブルブラック、ノーブルトープ、ピュアホワイトの4色。
LIXILは水まわり・タイル事業100周年
LIXILは、INAXの前身となる伊奈製陶を1924年に設立以来今年で100年を迎え、次の100年に向けてはグローバル市場への展開を強化する。海外ではシャワートイレはまだまだ普及はしていないが、コロナ禍による衛生意識の高まりをうけ、売り上げが伸びている現状がある。特に中国では顕著で、シャワートイレ市場は年率2割の成長を見せるという。しかし、日本では1,000億円の売り上げのうち、半分がシャワートイレだが、中国ではまだ1桁小さいという。
ただ、その市場は活発で、現在中国には500を超えるシャワートイレのブランドがしのぎを削っている。1つのメーカーが複数のブランドを展開するなど、複雑な市場を形成しており、将来は日本市場を超えると同社では予測している。
そうした中、LIXILは中国の江蘇省蘇州市に工場兼開発拠点となる施設を建設。日本のコア技術を投入しながら製品を開発・展開し、中国市場だけでなく、グローバル市場への拡大を狙うとしている。