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船の科学館、“船”の本館が2月から解体 別館と屋外展示は公開終了
2024年1月27日 09:00
東京お台場にある「船の科学館」は、「別館展示場」と「屋外展示資料」の公開を1月28日で終了する。残る「初代南極観測船“宗谷”」の展示は継続する。ここでは、一部の展示品を写真とともに紹介する。
入館料は無料。場所は新交通ゆりかもめ「東京国際クルーズターミナル駅」の前。開館時間は10時~17時(宗谷の乗船は16時30分まで)。毎週月曜休館。
解体前の本館を見る最後のチャンス
船の科学館は、1974年7月にオープンした海と船の文化をテーマにした海洋博物館。大型客船をモチーフにした「本館」は高い展望塔と相まって、長らくお台場で目立つ存在だった。
本館の建設から50年が経過して建物の老朽化が著しいことから、2月から敷地全体で解体に着手する。間もなく足場が組まれるとのことで、白亜の勇姿も見納めとなる。
船の科学館では2011年に本館での展示を休止し、一部の展示物を別館展示場に移設。屋外展示、宗谷とあわせて公開を行っていた。本館は再オープンすることなく姿を消すことになった。
宗谷の展示と教育普及活動を中心とした博物館活動は継続する。詳細は明らかになっていないがリニューアルの計画があり、候補地の検討も進めていくとしている。
別館展示場
別館はかつてミュージアムショップだった建物。内部はいくつかのテーマに分かれた展示をしている。
宗谷の展示では大型模型を始め、宗谷の足跡も見ることができる。あわせて旧海軍軍艦の模型が数多くある。宗谷はもともと旧海軍の特務艦で、海軍時代の模型もその中にあった。
「船がはこぶ」のコーナーは、海外から日本に運ばれる物資の海運について説明。こちらもパネルのほか、模型で船の大きさを比較できる様になっている。
「海をまもる」のコーナーは、海上保安庁などの活動を紹介した一角。巡視船の模型やインタラクティブなシステムで海上保安庁の仕事を知ることができる。北朝鮮の工作船についての展示もあった。
「海のめぐみ」コーナーは、メタンハイドレートや鉱物など海洋資源について学べる。鉱床のサンプルも見られる。
「にっぽんの海」では、日本の海域がどれくらいなのかを知ることができる。尖閣諸島や沖ノ鳥島などの模型も展示されている。
「海の図書ひろば」では海や船に関する書物が読める。子供向けの本が多いようだった。
屋外展示場
本館の周囲では、屋外展示として海に関する様々な物品が公開されている。一部撤去されている展示品もあったが、水中ハウスや潜水調査船などを間近で見ることができる。
宗谷
先に記したとおり、初代南極観測船の宗谷は引き続き公開される。東京国際クルーズターミナル建設の関係で、本館に近かった以前の場所から移動して、青函連絡船「羊蹄丸」があった場所に移動している。なお、羊蹄丸は本館の休館にあわせて撤去されている。
船内には、現役時代を再現した部屋がいくつかあり、往時の姿を見ることができる。また宗谷の上からだと本館全体をうまく写真に収めやすい。本館と宗谷のツーショットも撮影は最後のチャンスだ。