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Quest 3、finalの完全ワイヤレスイヤフォン 編集部:太田 【ブラックフライデーほしいもの】

11月24日からスタートするアマゾンの大規模セール「Amazon ブラックフライデー」。Amazonプライム会員向けに、食品や家電、ファッション、Amazonデバイスなど多くの製品がセール価格になります。期間は12月1日までの8日間ですが、祝日前の22日からは先行セールも開始するため、実質10日間のセールとなります。

ここでは、編集部員がAmazonブラックフライデーに向けて「ほしいものリスト」に追加した「本当にほしいもの」をピックアップします。「本当にほしいもの」なので、セール価格になっていなくても紹介しています。また、既に購入済みのものを紹介する場合もあります。

Meta Quest 3

VRヘッドセットは近年だと「Oculus Quest」(初代)、「PICO 4」と使ってきましたが、「Meta Quest 3」はスペックも「MR」のデキも、世代交代を大きく感じさせる内容です。実際に体験する機会もありましたが、高解像度で精細な表示に驚きましたし、アイデアを刺激されるMRの仕上がりに興奮しました。ブラックフライデーにあってもなくても、近いうちに購入したいアイテムです。専用の度付きレンズが作れて簡単に装着できるようなので、そちらも試したいですね。

フォックスファイヤーのGORE-TEXコート

暗い色のアウターが多いのと、仕事で外出する機会が再び増えてきたので、明るくてしっかりとしたコートが欲しくなってきました。フォックスファイヤーのこのコートはGORE-TEX採用、総裏仕立てと上質な仕上がりの模様。かなり躊躇する価格帯ですが、ブラックフライデーで24%オフになっていて心が揺さぶられています。

ビクターのBluetoothスピーカー

食卓などメインのオーディオがある部屋以外の場所で使っていたBluetoothスピーカーの調子が悪くなったので、ビクターの「SP-WM01BT」を買ってみました。昨今のBluetoothスピーカーは防水対応の関係か、大手ブランドでもラバーでツルっとしたデザインが大半で、バリエーションが乏しいと感じていましたが、これは天然木がぐるっと囲むデザインで、ダイニングにも馴染んでいて気に入っています。

防水は非対応なので浴室には持ち込めませんが、ボタンは防水性を考慮しなくてすむので独立してポチポチと押しやすく、操作はストレスフリー。また、防水非対応のおかげで自由度の高まった前面のサランフレームの影響なのか、音が明瞭だと感じます。低音域は宣伝文句ほどパワフルではなく、背面のバスレフポートを壁に近づけるなどしないと迫力のある音とまではいきませんが、私の用途の9割はYouTubeコンテンツの再生なので、声がはっきりとシャープに聞こえるのは、用途には合っていると感じています。

final ZE8000 MK2

新しい技術にすぐに飛びつくと起こりがちなのが、技術が未成熟なためにがっかりしてしばらく距離を置いてしまうこと。私にとって2019年初頭に入手した黎明期の完全ワイヤレスイヤフォンがそれでした。歌舞伎町のパチンコ屋の前を通りかかったら「バリバリッ」と信じられないほど爆音のノイズが発生して心臓が飛び出そうになって着けたまま繁華街を歩くのに恐怖を覚えるようになったり、乗っている地下鉄が駅に進入するたびにブツブツ切れたり、充電ケースに入れておいても待機時の消費電力が激しくてすぐにバッテリーが無くなったりと、音質以前の部分で散々な思い出がいくつもあります。

しばらく完全ワイヤレスはいいかな……と様子見していましたが、次第にそうした基本的な課題はどの製品でも改善されていき、2022年末に出たファイナルの「ZE8000」は久々に使ってみたいかもと思える内容でした。試聴した後に買いましたが、使っているスマホのおかげでQualcomm aptX Adaptiveの96kHzで接続できて、音質はまったく文句なし。イヤフォンは有線派だった私も、これなら使い続けられそうと感じましたし、実際にそうなりました。

既製品のイヤーピース、特にシリコン製のものはサイズがうまくマッチせずいつも悩みのタネだったのですが、この製品はイヤーピースを耳穴の奥まで入れるのではなく、外に近い場所で“フタをする”という発想の設計で、説明書では左右で違うサイズも試すよう案内されていました。そこでいろいろと試したところ、左がMサイズ、右がLサイズだとピッタリ合うことが分かりました。圧迫感も少なくてかなり快適です。ZE8000はイヤーピースが独自形状なのでサードパーティ製に交換することは難しいのですが、交換するまでもなくぴったりフィットしたのは良かった点でした。

一方で、この初代のZE8000のノイズキャンセリングはかなり弱めで、室内の騒音を抑えるとかの、補助的な性能にとどまっていました。また、地下鉄の階段を降りていると、吹き上がってくる風でノイズキャンセル用のマイクが吹かれて「ボボボボ」と音を拾うとかの課題もありました。ウィンドカットモードもありますが、マイクを使わなくなるのでノイズキャンセルも効かなくなります。

約1年で後継モデルが出るのはちょっと早い気もしますが、その後継のMK2を(前モデルを下取りに出して)買ってみると、課題だった点が改善されていて、素直に嬉しかった部分です。ノイズキャンセルは前よりもかなり効くようになり、地下鉄でも実用的。マイクも風を拾いにくくなり、ウィンドカットモードなどを意識しなくて済むようになっています。

独特とも指摘される「8K」サウンドは、すでに日常はスピーカー派になっていた私には違和感がなかったのですが、MK2はある意味では標準寄りの、万能型に近づいた印象です。ディテールにはさらに磨きがかかり、分離の良さはかつてないレベルですので、買い替えた価値は十分にありそうです。

「万物の黎明」

デヴィッド・グレーバー氏とデヴィッド・ウェングロウ氏の共著による世界史・人類史の本です。翻訳は酒井隆史氏。気まぐれに紙の書籍版で買いましたが、辞典のように分厚く、まだ読みかけです。

ほとんどの章で、豊富な調査結果や科学的な証拠を用いて、教科書レベルの一般常識な人類史ですら「実は~~ではなかった」と、ことごとく覆されていき、読んでいて脳が揺さぶられます。著者は欧米においてはアナーキーな人類学者に分類され、大航海時代に基礎が固められた人類史は「西洋の傲慢」に基づいたものであると喝破していきます。情報としてひとつに集まることが少ない考古学・人類学の調査結果がまとめられ、西洋視点の常識に対する色鮮やかな反論として立ち上がる様は痛快ですらあります。内容が特別に専門的というわけではなく、読んでいて面白いのもポイントでしょうか。

執筆に10年以上、グレーバー氏の遺作、600ページ超、標準販売価格5,500円、帯の推薦コメント陣が豪華すぎて笑っちゃうとかいろいろなポイント満載ですが、時間をかけてでも向き合う価値のある内容だと思えました。

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