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東京ドームシティ、近距離モビリティ「WHILL」導入 料金は無料
2023年11月8日 09:00
東京ドームは、11月7日、WHILLの提供する「WHILL モビリティサービス」を活用し、近距離モビリティ「WHILL」を東京ドームシティに導入すると発表した。
導入される「WHILL」は2台。東京ドームシティ内の融合商業施設「LaQua(ラクーア)」2Fと、「後楽園ホールビル」1Fそれぞれのインフォメーションセンターで貸し出しされる。一般利用者の利用料金は無料。時間制限はない。利用可能時間は共に11時からで、後楽園ホールビルは16時半まで、ラクーアでは20時半までに返却する必要がある。移動可能範囲内は東京ドームシティ内だがドーム内は利用できず、基本的にモール内での活用を想定する。利用条件はなく、誰でも利用できる。施設では従来型の車椅子レンタルも行なっており、併用される。
「WHILL モビリティサービス」とは、免許やヘルメットなしで歩道を走行できるスタイリッシュな電動車椅子「WHILL」を、法人施設向けの近距離モビリティサービスとして活用する法人向けサービス。「WHILL」に乗ることで、シニアなど長距離歩行に不安があっても広大な敷地内に「見どころ」が点在する施設を自由に回遊しやすくなる。多様な人が気軽に移動できる「インクルーシブな施設環境」に適したサービスだとしている。
「モビリティとして気軽に乗ってほしい」
同日にはメディア体験会も行なわれた。乗車できたのは「WHILL Model C2」。デザイン性の高さ、5cmの段差乗り越え能力、前輪の「オムニホイール」による小回り能力、そして乗り心地などが評価されている。最大時速は6kmで、レバーを倒すとその方向に進む。東京ドーム 業務部 カスタマーサービスグループ グループ長の齋藤範氏は「従来の電動車椅子とは全く異なる乗り心地には衝撃を受けた。車椅子という感覚ではなく乗ることが可能なので高齢者でも遠慮なく乗ってもらえると考えている」と語った。
東京ドームシティは2023年現在、大規模リニューアル中。ユニバーサルデザインやバリアフリーはまだ不足していると考え、そこを解決していきたいという。そこで2022年12月にWHILLを使った固定ルートでの回遊を試験導入。当時はイルミネーションを見るようなかたちだった。その反響を得て潜在需要はあると考えて、今回の導入に至った。「車椅子という感覚ではなく新しい乗り物、モビリティとして活用してほしい」と述べ、台数については「今後もニーズがあれば増やしていきたい」と語った。
WHILL 法人レンタル事業本部 本部長の杉浦圭祐氏は「車椅子は介助者も押し慣れていないとつらいし、会話もしづらい。WHILLならば横に並んで会話しながら自由に動ける」とメリットを紹介。特に商業施設の場合、利用者も「ちょっとあそこの商品を見てみたい」といったときにも介助者に頼む必要がないので、気軽に動ける。それによって施設自体の回遊性が高まり、滞在時間も伸びるメリットがあるという。
東京ドームシティでの従来型車椅子の利用は月間10台程度。WHILLも同じかそれ以上の利用を望む。東京ドームの齋藤氏は「遠慮なく、ご家族3世代で利用してほしい。モビリティを使うことで楽しみ方が変わってくるのではないか」と語った。
WHILL販売ディーラーは全国1400店舗
「WHILLモビリティサービス」はハウステンボス、志摩スペイン村、日本科学未来館、りんどう湖ファミリー牧場、ふかや花園プレミアムアウトレット、流山おおたかの森 S・Cなどに導入されている。導入料金は初期費用9,800円+月額レンタル料金(1台23,000円~)で、年間契約を基本としている。今回の「東京ドームシティ」は遊園地と商業施設が一体となった融合施設であることから「3世代で楽しんでもらいたい」と考えているとのこと。
WHILLの累計出荷台数などは非公開だが、販売ディーラーは全国で104社、1,500店舗。点検などを行なう認定修理取扱店も660店舗以上と2年前の2021年9月(当時31社460店舗)と比べると3倍以上に増えており、確実に全国に広がっているという。WHILLとしてはまずは出先で使ってもらい、次は体力が落ちた時に短時間、あるいは長期のレンタルへと普及させていきたいとしている。