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大阪・堺市、堺東エリアの商環境をバリューアップする市街地開発
2023年10月24日 15:24
大阪府堺市は、堺東エリア市街地整備計画作成に向けた民間アドバイザーについて、代表事業者の東急不動産と構成員の清水建設、日建設計からなるグループに決定した。
堺市では、「堺都心未来創造ビジョン」で示す堺東エリアの将来像実現に向けた新たに導入する機能のイメージ等の提案を募集していた。特に瓦町公園周辺ゾーン、行政街区西側ゾーン、駅北口ストリートゾーンにおける整備イメージ等を求めていた。
提案ではコンセプトの1つとして「堺東エリア全体の商環境のバリューアップ」が掲げられている。堺東エリアの地域イメージやブランド力の向上ならびに商店街の活性化、個性ある堺東の文化を体験できるウォーカブルで人々の活気が交わる拠点づくりによるエリアのアップデートを目指す。
瓦町公園周辺ゾーンについては、商店街に隣接しつつ駅からやや離れた落ち着いた立地であることから、地域交流の場とすることを目指す。導入機能イメージは都市居住、商業・サービス、生活交流、業務(郵便局など)、公共駐輪場、広場(民地内オープンスペース)。
具体的には、北街区は駅近の利便性を活かしながら、35階建て・380戸の都市型住宅を整備する。南側街区の商業エリアには、スーパーマーケット、カフェなどの商業、およびコワーキングスペースや郵便局などを擁する5階建ての複合施設を整備する。また各街区に1,000m2、1,100m2の広場を整備するなど、ウォーカブルな空間を創出する。
行政街区西側ゾーンについては、堺市の大動脈である大小路筋に面し、市役所などの公共施設と連続した立地であることから、広域交流の拠点となることを目指す。導入機能イメージは商業・エンターテイメント、業務・文化・観光・交流、ホテル、広場、都市公園の移設。
具体的には、ゾーンの東側に瓦町公園周辺ゾーンから移設する2,105m2の都市公園を配置し、大小路筋沿いにMinaさかいに繋がる壮大なオープンスペースを創出。西側には、事務所、商業(飲食、物販、エンターテイメント)、ホテル、広場を擁する15階建ての文化創生拠点「SAKAI HUBSQUARE」を配置する。また、施設前面に歩道状空地を設け、情報と街なか移動を融合させた「まちの駅」を設置する。
駅北口ストリートゾーンについては、商店街の北側に位置し、低利用地が多く存在することから、駅前拠点開発に向けて商店街と連携し賑わい創出に即効性のある土地の利活用を進める。導入機能イメージは商業・エンターテイメント(食文化発信など)。将来的な再開発事業による住宅や商業機能、公共駐輪場などの導入も想定する。
具体的には、低利用地を活用した集客力の高い食のイベントや、コンテナなどを利用したチャレンジショップの出店イベント、まちなかアートイベントなどを企画する。また、カフェやパブといった商店街に多い居酒屋などと共存できる交流・社交場の導入や、コンテナホテル、サウナなど既存商店街との相乗効果が期待できる滞在や時間消費型のテナント構成を検討する。
将来的な市街地再開発については、200戸の住宅や商業等からなる地上29階建ての複合施設を想定する。
今後、堺市は民間アドバイザーとの連携を図り、堺東エリアの将来像実現に向けた取り組みを進める。整備ロードマップでは、瓦町公園周辺ゾーンと行政街区西側ゾーンが2030年度までの工事完了、駅北口ストリートゾーンが2040年度までの工事完了を示している。なお導入機能等は事業者による提案内容であり、堺市として決定したものではない。