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MRのための「Meta Quest 3」登場 74800円

Meta Quest 3

Metaは、新たなMRヘッドセット「Meta Quest 3」を10月10日に発売する。128GBが74,800円、512GBが96,800円。9月28日から予約受付が開始される。Metaのオンラインストアのほか、Amazon.co.jpや大手家電量販店で取り扱われる。

MRのために設計

MR(複合現実)のために設計されたという、MRコンテンツに本格的にフォーカスするヘッドセット。PC不要のスタンドアロン型で動作する。カメラで周囲を捉え、鮮明なリアルタイム映像としてヘッドセット内に映し出す「フルカラーパススルー」に対応。この機能はQuest 2と比較して約10倍以上、Quest Proと比較しても約3倍以上の画素数の、鮮明なフルカラー映像になる。

周囲を捉える2つのカメラを搭載

現実空間に3Dグラフィックやユーザーインターフェースを重ねて表示するMRモードが基本になっており、ホーム画面もMR表示でスタートする。一方、ホーム画面で本体側面をトントンとダブルタップすれば、MRとVRは簡単に切り替えられる。

静止モード、歩行モードに対応しており、歩行モードは2×2mの障害物のない床面積と、周囲にさらに余白が必要。フルカラーパススルーモード利用時はカメラが起動していることを周囲に知らせるLEDランプが点灯する。

プレイエリアの境界線は、コンピュータービジョンにより自動的に周囲がスキャンされるため、手動の設定は不要。またスキャンにより周囲にある物体も認識され、壁、床、家具、天井などの表面の位置が把握される。これにより、3Dグラフィックスを壁などに重ねるといった、実際の物理空間とバーチャル体験を融合する表現が進化している。

例えばゲームタイトルでは、部屋の壁にドアを重ねて表示して、キャラクターが入ってくるといった表現が可能。天井が壊れて破片が床に散らばりつつ、エイリアンが穴から床に落ちてくるといった表現も、現実空間の部屋の壁や天井を認識した上でコンテンツのグラフィックと融合して表示されるため、実際の部屋が破壊されたり、コンテンツの一部になったりするかのような体験が可能。

既存のVRも問題なく遊べる

MRに注力する一方で、視界をすべてバーチャル空間にする既存のVR表示もサポート。「Quest」シリーズの展開から10周年を迎え、すでに500タイトル以上が提供されているVRアプリとも互換性をサポートしている。

年末までに100以上の新規またはアップグレードされたタイトルが登場予定で、半数以上は新規タイトルになる。現在Meta Questストアで配信されている50以上のタイトルがアップグレードされたりMR機能が追加されたりする見込み。

チップ、レンズ、コントローラーも進化

世界初の「Snapdragon XR2 Gen2」を搭載するヘッドセットで、Quest史上最もパワフルな処理性能を誇る。グラフィックス性能はQuest 2の2倍以上になる。

本体はパンケーキレンズの採用で薄型に仕上げた。ディスプレイ解像度は両眼で4K以上となり、Quest史上最高の解像度になる。メガネを使用するユーザー向けに、接顔部のパッドを手前に引き出せる機構を搭載。メガネがヘッドセットのレンズに当たりにくくなる。また、ヘッドセットのレンズを度入りに変更できるオプションも提供される。

パッドの内側に、接顔部を引き出す機構のボタン

ヘッドバンドは形状が見直され、後頭部付近は△に結ぶ形にしている。別売りのオプションとしてバッテリーを拡張するヘッドバンドも用意される。また本体を設置して充電する充電ドックも別売りで用意される。

コントローラーは、従来トラッキングのために搭載されていたリング部分を無くした、シンプルな形状の「Touch Plusコントローラー」に進化している。触覚フィードバックを提供するTruTouch可変ハプティクスを搭載。単3形電池1本で駆動する。

コントローラーを使わず、手を認識してUIにタッチ操作が可能なダイレクトタッチも利用可能。内蔵スピーカーは空間オーディオが進化したほか、低音域が強化され、没入感が向上する。マイクも内蔵する。

Questシリーズ最高の解像度、光学系はスリムに

ディスプレイはInfinite Displayテクノロジーとして、片目あたり2,064×2208ピクセルの解像度のディスプレイを搭載。25ppd、1,218ppiを実現し、Questシリーズ最高の解像度になる。リフレッシュレートは90Hzをサポートし、120Hzも試験中。

視野角はQuest 2から約15%拡大された水平110度、垂直96度になる。パンケーキレンズを搭載し光学系は40%スリム化された。レンズ間の距離を調整するホイールが搭載され、瞳孔間距離は53~75mmの幅広い間で調整できる。アイトラッキングは非搭載。

通信機能はWi-Fi 6と6GHz帯がサポートされる。Bluetooth 5.2、BLEを利用可能。PCVRとして、Meta Quest Linkケーブル、Air Linkに対応する。

メモリは8GB、ストレージは128GBまたは512GB。バッテリー駆動時間はQuest 2とほぼ同じとしており、一例として、総合的な利用で平均2.2時間、ゲームで平均2.4時間、ソーシャル体験で平均2.2時間、プロダクティビティで平均1.5時間、メディアの利用で平均2.9時間と案内されている。付属の18WのACアダプターを使い約2時間でフル充電にできる。

ヘッドセット本体の大きさは184×160×98mm、重さは515g。コントローラーの大きさは126×67×43mm。重さは電池を含め片方で126g。

バッテリー付きストラップなどアクセサリーも豊富に

別売りでバッテリー付きEliteストラップがラインナップされ、19,580円で発売される。リチウムイオンバッテリーを内蔵し、VRゲームのプレイを最大2時間延長できる。

ダイヤルを回してフィット感を調整できるEliteストラップは10,450円、シリコン接顔部は5,940円、グリップのフィット感を調整できるコントローラー用アクティブストラップは5,940円、接顔部とヘッドストラップのセットでブルーとオレンジのカラーバリエーションはそれぞれ7,480円、Zenni度付きレンズは7,499円、本体とコントローラーを置くだけで充電でき、コントローラー用のリチウムイオン充電池もセットになった充電ドックは19,580円、携帯用ケースは10,450円。

すでに発売されているPCVR用のLinkケーブルはそのまま使用可能。同じくTouch Proコントローラー(37,180円)もQuest 3に接続できる。

このほかパートナーからとして「Razer Hammerhead Hyperspeed」イヤホンが発売予定。

バッテリー付きEliteストラップ
充電ドック
「Razer Hammerhead Hyperspeed」イヤホン