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イトーキ、美術工芸品を繊細に扱える新型展示ケース

イトーキは、展示空間と展示品を美しく演出しながら、最適な環境で美術工芸品を保護・継承していく新型展示ケース「Artivista(アルティビスタ)」を開発し、東京国立博物館に納入した。

「意匠性」「演出性」「操作性」「展示品の保護」の4つを兼ね備えた新型展示ケース。行灯型展示ケースと、テーブル型展示ケースをラインナップする。今回、行灯型展示ケースを、東京国立博物館の本館14室と法隆寺宝物館に、それぞれ'22年12月、'23年1月に納入した。

意匠性については、透明性の高いラミネートガラスに低反射コーティングを施し、美術工芸品の本来の美しさを損なわない仕様にした。行灯型展示ケースはほぼ全面をガラスで構成しており、展示空間と展示品を際立たせるシャープなデザインに仕上げている。

演出性は、有機EL(OLED)照明を採用し、従来のLEDでは実現しがたいローソクの灯りのような柔らかい光を再現。グレア(眩しさ)や展示品の影の発生も抑え、展示品や企画展に合わせて様々な光の演出を実現している。

操作性については、行灯型展示ケースにおいて、同社で開発した日本初となるアルミ押出成形品による上部スライドレールを採用。前面ガラス横スライド方式で安全性を確保しながら、90%の開口を実現した。

テーブル型展示ケースは、ガラスフード昇降開閉方式を採用することで800mm以上の開口を実現。これにより、展示品の設置や移動、メンテナンスなど、繊細さを必要とする学芸員の作業の安全性、快適性をサポートする。

展示品の保護に関しては、内装材にVOC(揮発性有機化合物)を極力抑えた材料を使用。優れた気密性能を保持しており、湿度調整装置や空気清浄装置により、最適な環境で美術工芸品を展示・保存・管理できる。

また、採用しているラミネートガラスは2枚のガラスの間に中間膜を挟んでおり、防犯性能も兼ね備えているほか、地震対策として薄型の免震ベースも対応可能。

行灯型展示ケースの基本サイズは、900×900×2,500mm(幅×奥行き×高さ)。テーブル型展示ケースの基本サイズは、2,400×900×1,050mm(同)。