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パナ、MRI不要で顔画像から脳の健康状態を見える化

パナソニック ホールディングス プロダクト解析センターは、ブレインインパクトの監修のもと、顔映像から脳の健康状態を示すBHQ(Brain Healthcare Quotient)を推定する計測器を新たに開発した。セントラルスポーツが運営する「セントラルウェルネスクラブ24 葛西」に導入し、脳の健康状態の可視化が利用者のモチベーションアップに効果があることを確認したという。

BHQは、MRI計測により、脳の健康状態をわかりやすい数値で示す、国際標準に承認されている指標。脳の健康状態を数値で示すことで、病気になる前の健康なうちから、脳の健康を管理できるように、内閣府ImPACT山川プログラムで開発された。

プロダクト解析センターでは、一般に「認知症患者の表情は乏しくなる傾向がある」と言われていることから、「認知症」と「表情を作る能力」との間に何らかの相関関係があるのではとの仮説を立て、実証データの収集と推定精度の高い仕組み構築を進めてきた。こうした中で、MRI計測によって導き出された数値と独自のアルゴリズムで解析した結果に一定の相関関係を確認できたことから、「推定BHQ」を計測する「推定BHQ」計測器を開発した。

「推定BHQ」計測器は、モニターに映し出された喜怒哀楽の表情を参加者にまねてもらい、その表情・感情の変化からBHQを推定する。BHQはMRI計測による脳画像データから算出される指標だが、本機器では、短時間(計測時間は1分程度)で簡易にBHQの数値化体験を提供でき、日常生活の中、公共のスペースでも利用できる。推定した脳の健康状態は、実年齢から想定されるBHQ値と計測した「推定BHQ」値の差分と、「高/平均/低」の3段階でも表示される。

フィットネスクラブでの効果実証では、「自身の脳の健康が可視化されることが、有益だと思う」と回答した人は、全体の76%。有益だと回答した人のうち、9割が、「脳の健康の可視化が運動意欲の向上につながる」とし、8割は継続的に脳の健康状態を確認したいと回答した。これらのことから、「推定BHQ」による脳の健康可視化が、継続的な脳の健康把握と、運動モチベーションのアップに効果的だと考えられるという。