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「還付金詐欺」が増加中 ネットバンキングを使った手口も

国民生活センターは、「還付金詐欺」に関する注意喚起を行なった。還付金詐欺は、役所等をかたって自宅の固定電話等に電話をして、税金や保険料等が還付されるなどと説明し、そのための手続きとしてATMに誘導するなどしてお金をだまし取る手口の詐欺。

2022年度の還付金詐欺の相談件数は、過去5年間で最高で、トラブルに会っている人の約95%が60歳以上。近年は手口が多様化しており、ATMから振り込ませる従来の手口のほか、インターネットバンキングを使って振り込ませる手口も見られるという。

国民生活センターでは、「役所等から『お金が返ってくる』という電話がかかってきたら、それは還付金詐欺です」とし、そうした電話がかかってきた場合は、話し込まず、すぐに電話を切ること、不安を感じたら、家族・知人、警察や最寄りの消費生活センター等に相談するなどと注意喚起を行なっている。

実際の相談事例としては、「市役所から、健康保険の還付金があるのでATMに行くようにと電話があった」「年金事務所と金融機関を名乗った電話があり、指示通りにATMを操作したら振り込みをしていた」「インターネットバンキングで手続きをすると言われ、口座番号と暗証番号を伝えた」などがあった。

犯人は、役所等の担当者を名乗って電話をし、電話の中で消費者に「お金が返ってくる」と話をしてくる。役所等の担当者をかたる電話の後、金融機関の担当者をかたる電話がかかってくるなど、複数の人物が登場する「劇場型勧誘」も見受けられるという。

対応策としては、実際に還付金に心当たりがある場合は、自分で役所等の担当者を調べて連絡し、確認すること、「お金を返すために必要」などと言われ、名前や住所、銀行名、口座番号等の個人情報を聞かれても絶対に答えないことなど挙げている。また、不審な電話の対策としては、防犯機能付き電話機の導入や、電話機の留守番機能、ナンバーディスプレイ機能などの活用を推奨している。