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DNP、MRで展示物の情報を表示するガイダンスシステム

大日本印刷は、7月21日に千葉市立加曽利(かそり)貝塚博物館で行なわれる「夏休み縄文ウィーク」で、メガネ型の情報端末「スマートグラス」を利用した情報表示ガイダンスシステムの実証実験を行なう。

スマートグラスの内蔵カメラで撮影する画像情報から利用者の位置情報を算出する「VPS(Visual Positioning System)」技術や、リアルとバーチャルが相互に影響し合う空間等を構築する「MR(Mixed Reality:複合現実)」技術を活用。実際の博物館内で鑑賞する人の位置に合わせて、貝塚の断面や竪穴住居の柱、土器等の情報を重ねて、スマートグラスで立体的に表示する「場所に応じたMR」のサービスを提供する。

DNPは、美術館・博物館向けに高機能なヘッドマウントディスプレイやスマートグラスを使用したガイダンスシステムを提供しているが、今回はより低価格なスマートグラスを利用。従来必要だった位置情報算出用のマーカー等を施設内に設置する必要がないのが特徴で、施設側の導入・運用の負荷が少なく、利用者も手軽に使用できるシステムとしてその効果や課題を検証する。

スマートグラスの内蔵カメラで取得した展示物等の画像によって利用者の位置を特定するため、これまで必要だった位置特定用のマーカー等の設置が不要。スマートグラスをかけて所定の場所で展示物を観ると、該当する解説コンテンツ等が速やかにスマートグラスに表示される。実証実験では、加曽利貝塚博物館内の貝層断面の展示を観ると、周囲に掘られた調査区の様子がMRで表示され、発掘当時の現場の様子をうかがえる。

バーチャルに表示するCG等の解説コンテンツを、スマートグラスを通したリアルな空間上の最適な位置に、高い精度で配置。解説コンテンツ等が現実世界と一体化しているような自然な表示が可能で、利用者の直観的な理解や満足度の向上につながるという。

実証実験では、「加曽利E式土器」展示ケースの前で4点の土器の3次元(3D)CGをMRで表示し、実物の展示では観ることができない土器の裏側などを好きな角度から鑑賞できる。また、「大形建物跡」の展示の前では、MRで床に表示する竪穴住居跡の上に柱を再現することで、建物の大きさなどをわかりやすく伝える。

実証実験は7月21日の10時~15時まで。当日、先着順で20~30名が体験可能。