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G-SHOCK、形状だけで「立体商標」になる

登録された立体商標

カシオ計算機は、腕時計「G-SHOCK」の初代モデルの形状が、特許庁により立体商標として登録されたと発表した。ロゴや文字のない状態で登録されており、“腕時計の形状そのもの”が立体商標として登録されるのは初めて。

カシオは、G-SHOCKの初代モデルについて、ロゴや文字のない形状だけで「腕時計の立体商標」として2021年4月に登録を出願。2022年4月に、登録は認められないと判断されたものの、カシオが再審理を請求。その結果、当初の判断が覆されることになり、立体商標として認められることが2023年6月26日に決定した。

審理の過程では、八角形状のベゼル、左右に凹凸部やボタンのあるケース、バンドと横方向に溝のあるデザインといった外観の特徴が、機能や美観のためのもので、商標に必要な識別力を備えていない、と判断された。

一方で再審理においては、提出されたデータや事実などから、広く認知されている場合については商標として成立する、という商標法の項目に合致すると判断され、登録が認められることになった。

この広く認知されているという部分では、40年にわたり販売され、販売実績が長期にわたって安定していること、メディアの広告や紹介記事で継続して掲載・放映され、形状にも言及され評価されていること、アンケート調査にておいて立体商標に出願する画像を見せると過半数~6割がカシオ、Gショックなどと回答したことなどを理由として、商標になり得る特徴が広く認識されている、と結論付けられている。

1983年発売のG-SHOCK 初代モデル「DW-5000C-1A」

カシオは2005年にG-SHOCKの初代モデルの立体商標を出願しており、登録が認められていたという。一方、この時の立体商標は「CASIO」「G-SHOCK」といったロゴや文字が入ったものだった。同社は商標保護期間の10年が経過した際、登録を更新せず放棄しており、今回改めて立体商標の登録を出願した形になっている。その意図は、文字やロゴのない腕時計の形状だけでG-SHOCKの立体商標が認められることだったという。

特許庁の商標登録は日本国内向けのもので、国内で模倣品などは現時点で大きな問題にはなっていない。カシオによれば、今回登録した立体商標は40周年の節目に向けて準備を進めてきたもので、将来に渡るブランド価値の保護・強化の側面が強いとしている。

カシオは1983年にG-SHOCKの初代モデル「DW-5000C」を発売。この初代モデルのデザインを色濃く引き継ぐ5000シリーズは、G-SHOCKの原点として現在も同じ形状を維持しており、販売が続けられている。

1983年発売「DW-5000C-1A」の実機
2023年7月7日発売の「DWE-5640RX」