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中継地点で荷物をリレー「スワップボディコンテナ」 トラック運転手の負担軽減

デンソー、アスクル、エレコム、タカラスタンダード、三井倉庫ロジスティクス、安田運輸、大和ハウス工業の7社は、荷物を積載する荷台(コンテナ)部分を脱着できるスワップボディコンテナを用いた幹線中継輸送サービス「SLOC(Shuttle Line Of Communication)」の実証実験を7月10日から14日まで実施する。実施エリアは静岡県浜松市と埼玉県坂戸市を中継地点とした、関東・関西間。

実証では、ドライバーが行なう輸送作業と荷物の積み降ろしなどの荷役作業を切り分け、荷主が荷役作業を行なう「荷役分離」や、異業種による複数の荷物を同じコンテナに積載する「混載輸送」も行なう。

物流業界では、ドライバーの長時間労働が深刻化しており、荷物の積み降ろしのために待機する「荷待ち」時間や、宿泊を伴う長距離ドライバーの長い拘束時間などが問題になっている。ドライバーは運転だけでなく、荷役作業も担うため、身体への負担も大きい。こうした実態が原因になり、ドライバー不足にもつながっているとされている。

状況を改善するため、政府は2024年4月から働き方改革関連法によって、自動車の運転業務に時間外労働の上限規制を適用。ドライバーの労働環境が改善する一方、ドライバー不足により国内でトラック輸送している荷物の約1/4が輸送できなくなると言われている「2024年問題」が運送業界の課題となっている。

この問題を解決する手段として注目されているのが「幹線中継輸送」という仕組みで、1つの行程に中継地点を設け、複数のドライバーで交代しながら輸送する。ドライバー1人当たりの拘束時間が短縮されるとともに、荷主は労働環境を守りつつ、荷物を目的地に運ぶことができると期待されている。

SLOCは、荷物を積載する荷台(コンテナ)部分が脱着できるスワップボディコンテナ車両を活用しながら、QRコードを使ったコンテナ管理システムを導入し、複数の荷主と複数の運送業者によって荷物を運ぶ新しい輸送形態。

スワップボディコンテナ車両により、中継地点でコンテナを分離し、指定されたコンテナに載せ替えて目的地に輸送できる。トラックの乗り換えや荷物の積み降ろしがないため、トラック同士が待ち合わせる必要がなく、柔軟な運行スケジュールが可能で、長距離運行を日帰り運行にすることができる。

コンテナを分離できるという特長を活かし、荷主が荷物の積み降ろしを行なう「荷役分離」や、異なる荷主が同じコンテナに荷物を積載する「混載輸送」も容易になる。

日帰り運行や荷役分離が実現することで、若手・女性・高齢者など様々なドライバーの活躍が期待される。

実証実験では、ドライバーの労働環境改善と輸送効率向上を目指し、スケジュール通りに運行できるか、ドライバーによるコンテナの脱着オペレーションがスムーズに行なわれるかなど、社会実装に向けた課題の抽出を行なう。

主な検証項目は、下記の通り。

  • 1日6便(関西発3便/日、関東発3便/日)を運行し、事前に合意したスケジュール通りに運行できるかの検証
  • 中継地点に複数台のコンテナが置かれた場合でも、ドライバーが間違えずに脱着できるオペレーションの確認と課題の検証
  • スマートフォンとQRコードを活用したコンテナ管理システムの利便性確認
  • 複数荷主の貨物を混載輸送した場合の役割分担や責任区分の確認と課題の検証