ニュース
画像の一部を“生成”してしまう Photoshop新機能「ジェネレーティブ塗りつぶし」
2023年5月23日 22:29
アドビは23日(米国時間)、「Adobe Firefly」のジェネレーティブAI(生成AI)機能を「Photoshop」のワークフローに統合した「ジェネレーティブ塗りつぶし(Generative Fill)」を発表した。元画像には写っていない物体などを、ジェネレーティブAIにより自然に追加できてしまう機能で、対応したPhotoshopのベータ版が公開された。
Adobe Fireflyは、画像生成やテキストエフェクトなど、AdobeによるジェネレーティブAIモデル。3月に発表され、ベータ版として展開していたが、新機能の「ジェネレーティブ塗りつぶし」は、Photoshopのベータ版に統合された形で提供され、簡単なテキストプロンプトで、数秒で非破壊的に画像へコンテンツの追加や削除ができるようになる。
Photohopベータ版は、Creative Cloudのサブスクリプションを持つ会員であれば利用可能。ただし、「ジェネレーティブ塗りつぶし」は現時点では、商用利用不可で、18歳未満や中国での利用も不可となる。また、テキストプロンプトは英語のみに対応する。
「ジェネレーティブ塗りつぶし」は、画像の任意の領域を選択し、加えたい効果や追加したいオブジェクトなどをテキストで指示(プロンプト)すると、その通りに画像を変更できるもの。例えば、アスファルトの道路を道なりに選択して、「Yellow road lines(黄色い道路線)」とテキストを入力すると、画像に黄色の道路線が追加される。
Fireflyにより、画像の遠近感やライティング、スタイルなどを自動的にマッチングさせるため、これまでの画像編集/合成で時間がかかっていた作業が一瞬で完了できる。今回のPhotoshopにおけるジェネレーティブ塗りつぶしの実装では、プロンプトを入れると3種類の修正候補を示し、好みの候補を選ぶ形となっている。
Adobeによるデモ動画では、森の中の鹿の画像で、鹿だけを画像選択し、[Wet alley at night](夜の濡れた小道)と入力すると、鹿以外の背景が夜の濡れた小道に変更される様子や、看板をテキストで追加できることなどを紹介している。
なお、「ジェネレーティブ塗りつぶし」による編集についての情報は、Adobeが推進するコンテンツの来歴情報を記録する「CAI」により管理される。
また、Photoshopには画像の見え方を簡単に調整できる「調整プリセット(Adjustment Presets)」、AIを使い画面からオブジェクトを消したいときに使う「削除ツール(Remove Tool)」、「コンテキストタスクバー」、「強化されたグラデーション」などの新機能も追加される。