ニュース

Meta、AI半導体を独自開発 第1世代チップ「MTIA」

Metaは、AIの学習を高速化する自社開発の特化型ASIC「Meta Training and Inference Accelerator (MTIA)」及び、映像処理用ASIC「Meta Scalable Video Processor (MSVP)」を発表した。

MTIAは、Metaが開発した第一世代のAI推論アクセラレータ。TSMCの7nmプロセスで開発され、動作周波数は800MHz。低消費電力なもの特徴で、TDPは25W。MTIAのソフトウェアスタックはPyTorchと統合され、効率的な演算やデータの管理をサポートする。

実際のパフォーマンスでは、低複雑性から高複雑性のワークフローとして5つの異なるDLRMを実行。MTIAとNMPIアクセラレータ、GPUにおけるパフォーマンスを比較したデータでは、複雑さの低いモデルの場合、MTIAはより効率的に処理が可能。対して、中および高複雑度のモデルでは、GPUのほうが効率的に処理が可能であることがわかったという。現時点ではMTIAのソフトウェアスタックは最適化の最中であり、将来的にはGPUと同等の効率レベルを達成できるとしている。

「MSVP」は、Metaが初めて社内開発したASIC。Metaが運営する数億人向けのサービスでは、将来的に専用のハードウェアが必要であることから開発された。VODやライブストリーミングの処理ニーズに合わせて設計されており、VODに必要な高品質のトランスコーディングと、ライブストリーミングに必要な低遅延、高速処理の両方を効率的にサポートする。

将来的には、AI生成コンテンツやメタバース内のARおよびVRコンテンツなど、新しい形式のビデオコンテンツの提供にも寄与するとしている。

その他、AIに最適化した次世代データセンターの設計についても発表。次世代のAIハードウェアのトレーニングと推論の両方を可能にするもので、液冷AIハードウェアと数千のAIチップを接続する高性能AIネットワークを備える。