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ファミマとドンキ、広告・販促で協業 国内最大級のリテールメディアへ

ファミリーマート、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)ら5社は、リテールメディア事業での協業に関する覚書を締結。ファミリーマートとドン・キホーテ等のデータ連携による、大規模かつ効果的な広告配信の基盤の構築を進め、国内最大級のリテールメディアネットワークを目指す。

協業に参画するのは、ファミリーマート、PPIH、カイバラボ、伊藤忠商事、データ・ワンの5社。

ファミリーマートにとって、伊藤忠商事は親会社、データ・ワンはデジタル広告配信事業を行なうグループ会社。

PPIHはドン・キホーテ、ユニー等のグループ経営企画・管理等、カイバラボはPPIH子会社で、リテール分野におけるテクノロジー活用に関する調査、研究および提言を行なっている。

協業の背景には、小売企業が実店舗で得られたデータを活用し、消費者のニーズに合わせた広告配信等を行なうリテールメディアの成長がある。リテールメディアが先行する米国では、大手小売企業が自社の保有する購買データをもとに、消費者に適したインターネット広告の配信から購買結果まで検証するサービス事業を立ち上げるなど、デジタル販促の強化と広告事業の新規収益化が進んでいるという。

米国のリテールメディアの市場規模は今後、年平均23%程度で成長し、2024年には約7.2兆円(約550億ドル)まで拡大するとしている。

伊藤忠商事、ファミリーマート、データ・ワンでは、ファミリーマート約16,500店舗の顧客接点とデータを活用し、データに基づいたデジタル広告配信事業やサイネージ広告事業を展開している。

一方PPIHグループは、デジタル戦略としてmajicaアプリを通じた顧客接点の強化と、新たな顧客体験の提供を推進しており、アプリ会員数は1,100万人に達している。消費者とはアプリを通じたオンライン接点、国内610店舗のオフライン接点を持ち、そこから生まれるデータも活用できる。

PPIHでは、これらを自社のみではなく、取引先向けの広告・販促ソリューションとして活用展開していくことで、協働で消費者のニーズに応え、「顧客最優先主義」を実践していくことを目指している。

今回の協業により、ファミリーマートおよびデータ・ワンのデータとPPIHグループのデータを掛け合わせて、両社の持つ「会員データ」と「取扱商品数データ」を拡充し、大規模かつ効果的な広告配信の基盤を構築。消費者の興味や関心により合致した情報提供を行なうとともに、メーカー等の広告主にとって効果的な広告配信に繋げる。

協業イメージ

また、全国のファミリーマート3,000店以上に設置されている国内最大級のサイネージネットワークと、PPIHグループ全業態(DS、GMS)で導入を強化している店内パネルサイネージを連携させ、広告の相乗効果の検証や新たな広告商品の開発を推進する。

各店舗に設置されたデジタルサイネージ(左:ファミリーマート、右:ドン・キホーテ)

デジタル接点であるインターネット広告と、リアル空間の店舗におけるサイネージ広告等を組み合わせることで、来店時だけではなく来店前から来店後までの消費者の生活動線を一気通貫した、効果的な広告配信が可能としている。