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タウンユースでも快適なアウトドア系ジャケット 機能性に注目

エルブレス 新宿店

冬用のジャケットを購入しようと考えている方におすすめなのが、アウトドアブランドのジャケット。防水透湿性のある素材を使っていたり、動きやすい素材やデザインを採用していたりと、機能性に優れているのが一番の魅力です。そこで今回は、アウトドア系のジャケットが充実しているエルブレス(L-Breath) 新宿店のマネージャー・盛田雪乃さんに今年のトレンドやおすすめの商品を聞いてきました。

「ジャケットの中でも、ダウンジャケットと化学繊維のジャケットでどう選ぶかが最初のポイントになります。ダウンジャケットは軽くて暖かいのが特徴で、品揃えが幅広く、自分好みのものを選べると人気です。ただ、ものによっては雨などで極端に濡れると中綿がつぶれて空気を保持することができなくなってしまうという弱点があります。雨や水濡れに強いものを求めるなら、機能的な新素材を採用している化学繊維のジャケットがおすすめ。スキーやスノボでも使える透湿性の高いものや、寒暖差のある日でも汗がしっかり抜けるものまで、素材により用途も様々。化繊は洗濯機で丸洗いできるものも多いのでメンテナンスも楽ですよ」

エルブレス 新宿店の盛田雪乃さん

防風・防水など機能性に富んだ冬用ジャケット

まずは真冬の寒さにも耐えられる厚手のジャケットからおすすめの商品を紹介してもらいました。最初に出てきたのはザ・ノース・フェイスの定番モデル「ビレイヤーパーカ」です。

「このモデルはトレンドに合わせて毎年カラーを変えていますが、今年はザ・ノース・フェイスらしい明るいカラーがラインナップされています」

ザ・ノース・フェイス ビレイヤーパーカ ND92215(61,600円)。赤系のコードバン(写真)のほか黄色系のミネラルゴールドなどもラインナップ

「表生地にゴアテックス インフィニウム ウインドストッパーを使っているので防風機能が高いモデルです。着てもらうとわかりますが、首まわりまでしっかりダウンが入っていて風の侵入を防いでくれます。通常はダウンの偏りを防ぐために縫い目が入れられていますが、これは圧着式を採用。縫い目から羽根が抜けることなく、長く使えるのも人気の秘密です」

首まわりにもダウンがたっぷりで寒さ知らず
ダウンの偏りを防ぐ縫い目は圧着式を採用し羽根の抜け落ちを防いでいる

濡れたアウターシェルの上から着ることを想定して内側にも撥水素材を使用していたり、濡れたグローブが乾きやすい大型メッシュポケットを採用したりと、こだわりが満載です。

続いて登場したのは、毎年問い合わせが多いという人気ブランド、ナンガの「オーロラダウンジャケット」。フロントとポケットには止水ファスターを使用し、ポケット内側は起毛素材を使っているためハンドウォーマーとしても活躍するモデルです。

NANGA オーロラダウンジャケット(45,100円)。カラーは黒、カーキ、茶系を用意

「表生地に防水素材を使っている動きやすいショート丈なので、キャンプや冬の観光におすすめです。防水機能があるダウンジャケットの場合は、インナーを連結するタイプやロング丈のものは多いのですが、1枚タイプのショート丈は意外と少ないんですよ。シルエットがきれいでとても軽いので、着心地がいいと好評です」

次はダウンではなく化繊素材の秀作、コロンビアの「スチュワートランドインターチェンジジャケット」を紹介してくれました。ファスナーでアウターと中綿入りジャケットを連結、着脱できる3wayになっています。

コロンビア スチュワートランドインターチェンジジャケット WE9773(33,000円)

「防水透湿素材のオムニテックを採用したアウターと、熱反射保温機能に優れたオムニヒートインフィニティのアルミ加工が施されたインナーの組み合わせはとても便利です。アウターは雨や雪の侵入も防いでくれますし、インナーのアルミ加工は他メーカーのアルミ素材よりも通気性がいいので、保温性と通気性、両方を兼ね備えているのもポイントですね」

インナーの裏地にはオムニヒートインフィニティのリフレクトプリントが施されている

「インナージャケット、アウタージャケットともに1枚で着ることができるので、寒さに応じて3wayを使い分ければ春先まで使うことができますよ」

アウターとインナーダウンをファスナーで連結できる

今期の注目は新素材を使った薄手のジャケット

ダウンや中綿がたっぷり入ったジャケットはかさばってイヤ、という方におすすめなのが化繊の新素材を使った薄手のジャケットだと盛田さん。

「本格的な冬が訪れる前は薄手のジャケット1枚で、寒さが厳しくなってきたら上から防水ジャケットを重ね着するなど自分で調整する形になりますが、汎用性が高いので秋から春まで長く使うことができます」

そう言って紹介してくれたのが、ミレーの「ブリーズバリヤー トイ アルファ ダイレクト ジャケット」です。

ミレー ブリーズバリヤー トイ アルファ ダイレクト ジャケット MIV01971-0247(31,900円)。カラーは黒以外にカーキもあり

「裏地には最近注目されているポーラテックの『アルファダイレクト』という素材を使っています。中綿に近い温かさを持った毛足の長いフリースを使っているので、保温性がありつつも暑くなりすぎないように熱を放出してくれるのがいいところ。通気性は保ちながらも風を通しづらい素材なので、本格的に寒くなる前や比較的暖かい日は着やすいと思います」

通気、ストレッチ、速乾性に優れた「ポーラテック アルファ ダイレクト」を使用

「表生地には『ブリーズバリヤー』というウインドブレーカーなどに使われる素材を採用していて撥水性も高いので、防水ウエアほどではありませんが少し強めの雨でもある程度は弾いてくれます。縫い目の糸にも撥水加工が施されていて雨水が浸入しづらいので、旅行中の急な雨にも便利です」

このジャケットは、ミレーが提案するレイヤリング・システム「インシュレーション ペアリング」のシリーズアイテムのひとつ。冷え込む時期にどんなシーンでもベストの快適さを実現する重ね着システムなので、同じシリーズでウエアを揃えるとより快適な冬を過ごせそうです。

次も同じ系統で異素材を使った、マウンテンハードウェアの「コアエアシェルウォームジャケット」です。

マウンテンハードウェア コアエアシェルウォームジャケットOM4034(26,400円)

「ミレーと同じような毛足が長いフリース素材を使っていますが、こちらはテイジンの『オクタ』という素材を使用。通気性がいいのが一番の特徴で適度な保温性も備えています。表地もパーテックスカンタムエアという防風・通気性に優れた素材を使っているのでアクティブに動く方には最適な1枚です」

裏地には通気性に優れたテイジンの「オクタ」を使用

10万円以上のジャケットは汎用性も機能性も抜群!

注目の新素材を使った薄手のジャケットは3万円前後、ダウンは4万円~6万円くらいが売れ筋だそうですが、10万円以上する高級モデルでおすすめがあるか聞いてみました。

「フォックスファイヤーのオーロラジャケットはおすすめです。厚めのダウンジャケットなので冬季観光にしか使えないというイメージもありますし価格もお高いですが、汎用性が高く、機能も盛りだくさんなので、価格に見合った使いやすい1着だと思います」

フォックスファイヤー オーロラジャケット(103,400円)。カーキのほかブラックもあり

「名前の通り、極寒のオーロラ鑑賞にも耐えうる、をコンセプトにつくられた最強の防寒モデルです。これだけ重衣料のダウンで連結できるタイプのものは少ないですが、オーロラジャケットは3in1の連結タイプ。インナーのダウンもしっかり入っていますし、アウターはゴアテックスの防水素材を使っているので、雨にも雪にも風にも強いんですよ」

アウターはゴアテックス、インナーはダウンの3in1タイプ

実際にこれを着てオーロラ観光に行った人からは、「飛行機の中は暑くて外に出ると寒かったので、3in1は使いやすかった」という声を聞くことができたそうです。

「ボタンは大きめにつくられているので、厚手のグローブを付けたままでも扱いやすいようになっています。テープ状の太い紐でボタンを止めているのは、どんな状況でもボタンがちぎれて飛んでいかないようにするためです」

グローブをしていても付け外ししやすいボタン構造

「天然のファーを使っているのも特徴のひとつですね。極寒地に行くとフェイクファーは凍ってしまうこともあるので、これならその心配もしなくて済みます」

天然のファーを使っているのもポイント

2001年の発売から改良を繰り返し、性能に磨きをかけてきたフォックスファイヤーのオーロラジャケット。最近のモデルチェンジで身幅が少し細くなりシルエットが良くなったそうなので、防寒ウエアをお求めの方はぜひ試着してみましょう。

SDGsを意識した商品も増えつつある!

「トピックとして紹介したいジャケットがある」と盛田さんがピックアップしてくれたのは、ザ・ノース・フェイスのアンダイドシリーズ。

「アンダイド、つまり染色をしていない素材を使ったジャケットです。最近は多くのメーカーがSDGsを意識していて、環境に配慮した素材が増えています。ザ・ノース・フェイスでは染色時にどうしても出てしまう化学物質を出さないために、あえて表面の生地を染色せずにそのまま販売したわけです。アンダイド ヌプシジャケットはリサイクルダウンを使っているので、表地も中身も環境に配慮したつくりになっています」

ザ・ノース・フェイス アンダイドヌプシジャケット ND92236(40,700円)

「この秋冬のアンダイドシリーズは2品番リリースされていて、もうひとつがアンダイド アンタークティカパーカです。こちらは表地に高強度のゴアテックス2層を採用し、中綿には保温効果に優れた光電子ダウンを使っているので、極寒地の防寒着としても活躍してくれます」

ザ・ノース・フェイス アンダイド アンタークティカパーカ ND92239(89,100円)

SDGsの観点から、アウトドアウエアも羽毛を使わない方向に舵が切られはじめていると盛田さんは続けます。

「その影響からか、化繊でもダウンに近い軽さや温かさを実現するなど、機能的な素材が多く出てきています。ですから冬用のジャケットはダウン一択ではなく、化繊の新素材を使ったものにも目を向けてもらえたら、と思います」

ダウンや化繊など、素材によっても選びの幅が広がっているアウトドア系ジャケット。先を見越して厚手のダウンを買うのもいいですが、汎用性の高い薄手のものを選んで重ね着するのもアリなので、そこも踏まえてジャケット選びをしてみてはいかがでしょう。

エルブレス 新宿店(東京都新宿区新宿4-1-11)

価格は11月21日の取材時点の税込価格です。