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写真の“来歴”を記録できるカメラ。ニコンとAdobeが協力

Adobeとニコンは。「来歴記録機能」を組み込んだミラーレスカメラ「ニコン Z 9」を「Adobe MAX 2022」に参考展示した。写真に「誰がどのように撮影したか」といった来歴情報を添付して作品の信頼性を担保する取り組みだ。

来歴記録機能は、Adobeが主導するコンテンツ認証イニシアチブ(CAI)とのパートナーシップにより実現。CAIによる規格「C2PA(Coalition for Content Provenance and Authenticity」を初めてカメラ機器に実装する。

カメラがC2PAに対応することで、写真家やクリエイターが「どこでどのように撮影されたか」などの画像の来歴情報を、撮影時に写真に添付できる。これにより、デジタル作品の「信頼性」を確立するほか、撮影者や編集履歴を明示することで、誤った情報や虚偽の情報の拡散を防ぐ狙い。

最近では、画像生成AI(ジェネラティブAI)などにより、テキストからイラストや写真のような画像などを生み出せるようになっているが、同時に偽情報がもたらす悪影響も懸念される。Adobeではデジタル来歴証明をコンテンツ制作のライフサイクルに組み込むことで、コンテンツの信頼性を確保するため、この取組を進めている。

Adobe Maxではニコンのほか、ライカのC2PA対応を発表。なお、Adobe製品ではPhotoshopなどがC2PAによるコンテンツ認証情報(Beta)に対応している。

C2PAにより、カメラからクラウドまで写真の「真正性」を担保できるようになるため、「デジタルコンテンツへの信頼を回復する」という。このC2PAに対応した初のカメラが今回展示されるニコン Z 9になる。

この機能の実装にはCAIのオープンソースツールキットが使われている。発売中のZ 9では同機能を搭載する予定はないが、ニコンでは、将来の製品での搭載に向け、C2PA規格に準拠した来歴記録機能の開発を進める。