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大阪・難波宮跡公園、NTT西日本本社跡地と一体的に整備
2022年9月29日 14:05
NTT都市開発は、大阪市における初のPark-PFI事業である「難波宮跡公園(北部ブロック)整備運営事業及び難波宮跡(南部ブロック)管理運営事業」に関する事業者公募において、大阪市と事業の実施に関する覚書を締結したことを発表した。
事業に参画するのは、NTT都市開発を代表構成員、NTTアーバンバリューサポート、NTTファシリティーズを構成員とするグループ。グループ名は「難波宮跡公園『みんなのにわ』プロジェクト」。NTT都市開発等は東側隣地のNTT西日本本社跡地において「法円坂北特定街区開発計画」を進めており、難波宮跡公園を中心とした一体的な環境整備による、周辺エリア全体の魅力向上に取り組む。
難波宮跡公園は、「北部ブロック(同事業に合わせて開設)」「南部ブロック(計画区域指定済み・未開設)」「西部ブロック(開設済み)」の3つのブロックからなる歴史公園。周辺一帯は古代に宮殿遺跡が存在していたことから「難波宮跡附法円坂遺跡」として国史跡に指定されており、周知の埋蔵文化財包蔵地と合わせて「難波宮跡」と呼ばれている。
事業コンセプトは「みんなのにわ なにわのみや」。「難波宮の歴史を引継ぎ、この場所を市民が自身の居場所として利用し、守り育てていく『街のにわ』と位置付け、その魅力を最大限に引き出すことで、市民が出逢い、愛着や誇りを育み、新たな歴史を紡ぐ場とし、市民とともに未来へ引き継ぐ」としている。
難波宮跡公園は大阪府市内の観光地とそれを結ぶ公共交通機関ネットワークにおいて、大阪東部における重要な結節点で、大阪城周辺エリアと一体となったさらなる歴史観光拠点化が望まれているという。また周辺では近年住宅開発が進み、地域住民が増加しており、エリアの魅力向上のため、市民が自由に活動し憩うことのできる場所が求められているとしている。
これらを踏まえNTT都市開発らは、難波宮跡の歴史性を十分に尊重したうえで、大阪市内の観光・生活拠点として同公園の整備および運営に取り組む。今回の事業に関連するのは、北部ブロックと南部ブロックで、管理運営開始は北部が2025年4月、南部が2023年4月予定。
北部ブロックにおいてはPark-PFI事業に基づく建物および園地整備業務、魅力向上業務、管理運営業務、南部ブロックでは魅力向上業務、維持管理・情報発信業務を実施する。事業面積は北部ブロックが約2.3ha、南部ブロックが約11.7ha。所在地は大阪市中央区法円坂1丁目、馬場町および大手前4丁目地内。
北部ブロックにおける園地整備業務のポイントとして、「歴史公園としての整備」「都市公園としての整備」「街の結節点としての整備」の3つを挙げる。
歴史公園としての整備については、史跡の本質的価値を正しく伝えるために、表示予定の遺構を際立たせる計画とし、また遺構を傷つけない整備を実施。さらに、遺構表示に近接する形で憩いの空間を作り、歴史に関連した催事を行なうことで、来園者が自然に歴史を学べる環境を作る。
都市公園としての整備については、市民活動のサポート・拠点機能としての施設・緑地整備を行なう。市民・大阪市・NTT都市開発らで連携することで、持続的に市民のできることが増えていく公園を目指す。
街の結節点としての整備については、大阪府市内の観光・歴史的資源との連携を強化し、公園の歴史的価値の発信・知名度向上に努めるとともに、東側街区も含めた一体的な整備により周辺エリアの回遊性向上を図る。
北部ブロックの店舗延床面積は1,655m2予定。2023年12月に着工する。
両ブロック共通の魅力向上業務については、市民と連携した公園運営と集客力の高い催事を行なう。
公園運営では、サービス提供側とサービス享受側の中間的な立場で市民主体の組織「難波宮サポーターズクラブ(なにさぽ)」を組成し、公園管理者と市民の双方のやり取りの活性化を図る。また、市民自らがサービス提供側に立つ取り組みも実施し、自発的に、かつ持続的に活動を展開、発展していく環境の構築を目指す。
催事については、公園の歴史的価値を知るきっかけとなる催事や、公園の知名度向上に寄与する在阪団体とのコラボ催事、エリアの賑わいを生むための催事等を、2023年4月の南部ブロックの管理運営の開始以降、順次実施する。
北部ブロックの管理運営業務および南部ブロックの維持管理・情報発信業務については、市民が何度も訪れて自由に過ごしたくなる公園「みんなのにわ」を下支えするため、「快適性」「愛着」「安全安心」の3つのキーワードのもと、管理運営計画を立案・実施する。