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丸の内の車道を木陰の公園に 「Marunouchi Street Park」
2022年8月3日 08:00
丸の内仲通りの道路空間を「人中心の空間」とし、都心の広場・公園的空間の在り方を検証する「Marunouchi Street Park 2022 Summer」が、8月2日から9月11日まで実施される。実施時間は11時から22時。
大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり3団体の大丸有エリアマネジメント協会、大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会、三菱地所による社会実験。Marunouchi Street Parkは2019年より、天然芝の敷設や、屋外ワークスペース、仮設建築物の設置など、通りの役割や季節ごとの可変性を探る形で、丸の内仲通りの今後のあり方や活用方法を検証してきており、今回は6回目となる。
2022年度は夏・冬2回の実施を予定。快適な都市公園空間としての丸の内仲通りを見据え、よりサステナブルな空間作りを実践し、都心の広場・公園的空間の在り方と運営管理方法、および都市観光としての場づくりについて検証する。
Marunouchi Street Park 2022 Summerでは、丸ビル前ブロック、丸の内二丁目ビル前ブロック、丸の内パークビル前ブロックの3つの空間で、それぞれにテーマを持たせて構成する。
丸ビル前ブロックは「MSP Refresh Space」をテーマに、軽運動や読書ができるリフレッシュ空間を展開。道路と歩道を一体的に活用しデザインされた「みんなのライブラリーベンチ」では、木陰に座って本を手に取れる。蔵書は「丸の内仲通りで読みたい本」をテーマに利用者が持ち込み、気に入った本と交換もできるようにして、知の共有を通じたコミュニティの場を形成する。
隣の「こどもライブラリー」では、夏休み期間に子どもたちが楽しめるよう、絵本が子どもの目線に入るように設計。また、車いす利用者や目の不自由な人でも楽しめるよう設計された卓球台が設置され、気軽に運動ができる。
丸の内二丁目ビル前ブロックは「MSP Music Restaurant」をテーマに、緑を感じながら音楽と食事が楽しめる空間を展開。ストリートピアノを設置するほか、丸の内仲通り沿道に店を構える「GARB Tokyo」の特設屋外客席として仮設建築物を設置する。涼しげな空間での飲食を楽しめるよう、道路空間を階層的に活用している。
また同ブロックに「みんなのテーブル」を設置。様々な素材・機能・形の椅子と机によって構成された丸テーブルで、「子どもから大人、障害のある方まで、みんなが利用しやすいデザイン」としている。
丸の内パークビル前ブロックは「MSP Garden」をテーマに、高層建築に囲われた中で自然を感じられる丸の内の庭空間を展開。芝の上で楽しむピクニックをイメージしたエリアとして、芝生でくつろげる休憩所「ごろごろベンチ」や充電スポットを設けたソロワークスペースを設置し、様々な種類のくつろぎスペースを提供する。
また、酷暑対策のための北海道滝上町産の和ハッカ精油を使用した香り付きドライ型ミストの設置や、丸の内仲通りで掲出されていた広告バナーフラッグをアップサイクルして作られたピクニックシートの貸出を行なう。
企業連携企画も実施。パタゴニアの企画が8月26日・27日、9月2日・3日の各日11時から18時、エルメスの企画が8月11日から14日の各日11時から17時に、丸の内パークビル前ブロック ピクニックエリアにて行なわれる。
なお、実施期間中は24時間車両交通規制を実施する。
Marunouchi Street Park 2022 Summer開始日にはオープニングセレモニーを実施。その中で東京都知事 小池百合子氏は「都では賑わいあふれるウォーカブルな、人中心の街づくりを進めている」とした上で、「いつもは車が通るところではありますが、緑の芝生が敷き詰められ、あちこちにファニチャーが置かれて楽しめる空間になっている、こういったイベントは大好きです。ウィズ・コロナの新しい日常における、街の楽しみ方の一つ」と感想を述べた。
都では、パークストリート東京という名目で、こういった取り組みを一体的に取りまとめて発信し、後押ししていることを説明。「卓球台など、目の不自由な方でも楽しめるような工夫がしてあるなど、いろいろな先進的な事例を採り入れられていることに敬意を表する」と話した。