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東京・八重洲にエネルギー拠点。ミッドタウン・八重洲地下街に供給
2022年8月1日 20:31
東京駅前八重洲エリアの新たなエネルギー拠点「八重洲エネルギーセンター」が、7月31日に竣工した。三井不動産と東京ガスの連携によるもので、東京ミッドタウン八重洲、八重洲地下街に秋から供給開始する。
三井不動産と東京ガスが共同で設立した三井不動産TGスマートエナジーによる「八重洲スマートエネルギープロジェクト」で、「日本橋スマートエネルギープロジェクト」('19年4月供給開始)、「豊洲スマートエネルギープロジェクト」('20年4月供給開始)に続く第3弾となる。9月1日より、東京ミッドタウン八重洲と八重洲地下街への電気と熱の安定供給を開始する。
東京ミッドタウン八重洲は8月末日竣工、商業施設が9月17日先行オープン、2023年3月グランドオープン予定。最高高さは地上45階、約240m。
八重洲スマートエネルギープロジェクトでは、東京ミッドタウン八重洲内(東京都中央区八重洲2-2-1)に、CGSを中心とした自立分散型のエネルギーシステムを整備。自立分散型のエネルギー(電気・熱)供給を実施し、防災力・環境性の強化による、高い国際競争力を有した街づくりへの貢献を目指す。CGSとはコージェネレーションシステムの略称で、都市ガス等を燃料に電力と熱をオンサイトで製造し、総合効率の高いエネルギーを供給するシステムのこと。
中圧の都市ガスを燃料とする大型のCGSを導入しており、系統電力停電時にも中圧の都市ガスの供給が継続する限りCGSによる発電が可能。中圧の都市ガス導管は大きな地盤変動にも耐えうる「溶接接合鋼管」を採用しており、また、プラントは地震の影響の少ない地下に、揺れに強い構造で設置するなど、災害時の供給安定性、防災対策を確保している。
高い耐震性が実現する安定的なエネルギー供給、中圧の都市ガスを燃料とした大型CGSと系統電力による電源の多重化により、災害時・非常時の企業の事業継続に寄与するとともに、バスターミナルや小学校、一時滞在施設等の公益施設にも電気と熱を継続供給し、街の防災力向上にも役立てられる。
エネルギーの地産地消による省エネ・省CO2に繋げられる点も特徴。一般的なビルと比較して約26%のCO2排出量を削減し、またトラッキング付非化石証書の活用により実質的な「電力グリーン化」を実現するとしている。
電力需給逼迫時の電力不足解消にも貢献。分散型電源であるCGSの発電により平常時から系統電力の負荷を軽減し、電力需給バランスの安定化に寄与するとし、電力需給逼迫時に系統からの要請があった際には、CGSの発電電力を八重洲エリアに供給した上で、余った電力を系統に融通できるという。
隣接地区で現在開発が進行中の「八重洲二丁目中地区第一種市街地再開発事業」においても、完成後の建物にエネルギーの供給を予定している。