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ツイート削除要請、日本が世界の半分を占めてトップ
2022年8月2日 08:00
Twitterは、法的要請をはじめ強制的な対応などをまとめた「Twitter透明性センター」を更新、2021年下半期のレポートを公開した。後日、日本語ページも公開される。
透明性レポートは、各国政府の要求にどう対応したかを公開することで、投稿の監視業務やその対応についての透明性を高め、政府の行動を注視することにも寄与するという目的で公開されているレポート。2018年に投稿の削除など強制的対応のルールを明確化して以来、さまざまな技術や対応方法を導入。削除以外にも検索結果やタイムラインから表示を除外するといった機能も導入しており、今後の透明性レポートではこうした措置の詳細も共有される見込み。
同社が投資効果が表れているとする指標が、違反ツイートが削除されるまでに記録されたインプレッション数(閲覧された数)。削除を求めた400万件以上のツイートのうち、削除されたツイートの71%は削除前のインプレッション数が100件未満、21%は100~1,000件で、違反ツイートの大部分は広く拡散される前に削除されたとしている。Twitterでは今後も違反ツイートの検出スピードを加速させていくという。
スパムへの対抗措置は前回報告の期間から2%増加、ユーザーからの報告件数は6%増加した。2021年9月から自動化されたアカウントにラベルを付与し、優良ボットと悪質なボットを区別できるような配慮も進められている。
世界の法的削除要請の半分は日本
2021年下半期においてTwitterは、全世界で198,931のアカウントを指定してコンテンツの削除を求める法的要請を47,572件を受理している。この数は過去10年で最大で、増加傾向にあるという。
日本の法的要請件数は23,555件で、世界トップ。全世界の要請数の半分を占めた。日本の要請の96%は金融犯罪、麻薬、売春の禁止など、法律に関するもので、前回レポートから27%増加し、特定されたアカウントの件数は30%増加した。
政府機関(行政機関)からの情報開示請求件数は世界で11,460件。最も行なったのはアメリカで、インド、日本、フランス、ドイツが上位5カ国。この5カ国の合計で全体の79%を占める。日本からの情報開示請求は2,003件だった。
このほか、世界各地の認証済みジャーナリストや報道機関の349アカウントが、法的要求326件の対象になった。前回から103%と、増加傾向にあり、報道の自由への緊張感が高まっていることを示唆している。
Twitterは非政府機関からも情報開示請求を受ける場合があり、これは弁護士などから民事・刑事裁判に関連して提出される請求があてはまる。2021年下半期は世界で426件を受理、日本での申請件数は224件で、こちらも世界トップだった。