新生「Yahoo! ショッピング」10月誕生。PayPayモール統合

ヤフーは、ECサービスの「Yahoo!ショッピング」と「PayPayモール」を10月に統合する。存続ブランドはYahoo! ショッピングで、新生「Yahoo! ショッピング」では、LINEや出前館などZホールディングス グループのサービス連携を強化する。

統合により、Yahoo! ショッピングに「PayPayモール」の特徴である商品情報が整理されたデザインや検索などの機能の利便性を追加。Yahoo! ショッピングの4億点以上の豊富な商品数を活かしながら、「シンプルで探しやすく、安全・安心で便利なお買い物体験」を提供するショッピングモールへと変革するという。

また、厳選された「優良ストア」の基準を高め、ユーザーにわかりやすく表示・訴求。注文の当日から翌々日までに商品を配送する「優良配送」も強化していく。

PayPayモール2年間の課題。Yahoo!商標取得も決め手に

PayPayモールは2019年10月に、ユーザーからの支持が高く、厳選されたストアのみが出店する「プレミアムなショッピングモール」としてサービスを開始。ファッションや家電、コスメなどのカテゴリごとに最適化されたデザインや検索などの機能を磨くことで、雑多なYahoo! ショッピングよりも洗練されたモールとして打ち出してきた。

その結果、ダイソンや、ヤマダデンキ、FANCLなどの有名ストアを中心に、約1,700ストアが参加し、取扱高もこの3年で大きく成長したという。しかし、ユーザーからは、デザインや機能、キャンペーンなどの違いや、コンセプトの違いがわかりにくいとの指摘もあった。また、LINEなどZHDグループ各サービスからの送客が分散するといった面でも課題があったという。

そのため、PayPayモールのデザインや機能、ストアの強みと、Yahoo!ショッピングの商品数やユーザー数を融合することが「ユーザーにとっても、ストアにとっても、Yahoo! JAPANとしてショッピング事業を成長させていくためにも最適」とし、新生「Yahoo!ショッピング」への統合・リニューアルを決めた。

PayPayモールという名称のサービスは開始から約2年で終了するが、サービス自体はYahoo! ショッピングとして継続する。

また、ヤフーが'21年9月に日本におけるYahoo! JAPANブランドの商標権を取得し、柔軟なブランド展開ができるようになったことも、今回の統合の要因。そのためサービス名称も、認知度の高い「Yahoo!ショッピング」とした。

10月からは、8,600万人のYahoo! JAPAN、9,200万人のLINE、4,700万人のPayPayなどのZHDグループの資産を活用して、新生「Yahoo!ショッピング」への送客を一本化。さらなる成長を目指す。ユーザーへ還元するPayPayポイントなどの付与キャンペーンも、よりシンプルでわかりやすい内容に変更していく予定。