ニュース

スタバ、店内グラス・持ち帰りリユースカップ拡大。使い捨て削減

スターバックス コーヒー ジャパンは2022年春から、使い捨てのカップ、リッド(蓋)、カトラリーの削減を目指す施策の拡大および新素材への切り替えを行なう。

スターバックスがグローバルおよび日本において掲げる、2030年までに廃棄物を50%削減するという目標に向けた取り組み。使い捨て資材削減のため、カップ循環プログラムのエリア拡大、店内用グラス提供、リッドなし提供、リユースカトラリーおよび100%植物由来カトラリー提供の、4つの施策を行なう。

カップ循環プログラム

カップ循環プログラムは、「Re&Go(リーアンドゴー)」という名称で'21年11月から、丸の内エリア10店舗で実施している。4月4日から、渋谷エリアの9店舗が実施店舗に追加される。

Re&Goは、繰り返し使える耐久性のある貸出カップでドリンクを提供し、店舗に返却、パートナー企業での洗浄を経て再利用するプログラム。Re&GoのLINEアカウントを友だち登録することで利用できる。

対象店舗はRe&GoのLINEアカウントにて表示される「お店を探す」から検索可能。店舗ではドリンク注文時に同サービスを利用したい旨を伝え、Re&Go LINEアカウントの「容器を借りる」をタップして、専用カップに付属されたQRコードを読み取る。

専用カップは、店内利用でもテイクアウト(TO GO)でも利用可能。返却時は、Re&Go LINEアカウントの「容器を返却」をタップして、店頭の返却コーナーにあるQRコードを読み取り、カウンターにカップを返却する。

カップの保温・保冷性や、洗浄せずに返却できるという利便性から、実施店舗ではリピーターも多いという。

渋谷エリアで実施する店舗は、渋谷公園通り店、渋谷パルコ店、MIYASHITA PARK店、渋谷cocoti店、渋谷モディ店、渋谷文化村通り店、神宮前6丁目店、SHIBUYA TSUTAYA店で、そのほか渋谷ファイヤー通り店でカップ返却のみ対応。渋谷と丸の内をまたいだ返却にも対応する。

店内用グラス提供

店内用グラス提供はリユースの選択肢を増やすことを目的に、アイスビバレッジを対象として4月18日より106店舗で開始する。店内利用時のフラペチーノを含むすべてのアイスビバレッジのショートとトールで利用可能で、一部店舗ではグランデ、ベンティにも対応。これまでは都内数店舗で展開していた。

使用するグラスは樹脂製。利用者は店内利用の際、グラスと使い捨てカップを選択できる。また店内でグラスを使用し、途中で退店することになった際には、スタッフに依頼すればテイクアウト対応のカップに入れ替えられる。

先行導入店舗の1つである皇居外苑 和田倉噴水公園店では、見た目が好評で写真に撮る人も多く、またカップを変えるだけで廃棄物削減に貢献できる手軽さも好評だという。

リッドなし提供

リッドなし提供は、フラペチーノを含むすべてのアイスビバレッジの店内利用を対象に、4月18日から113店舗で開始し、夏頃の全国展開を計画する。お子様用ビバレッジは対象外。希望者にはリッド付きでの提供も可能。

スターバックスでは'20年11月からストロー不要のリッドでビバレッジを提供してきたが、この取り組みをさらに進め、使い捨てのプラスチック製リッド自体の削減を目指す。

ホットビバレッジやテイクアウトの場合は、持ち運びの利便性や、やけど防止の観点から、リッド付きで提供する。

リユースカトラリーおよび100%植物由来カトラリー提供

フォークやナイフなどのカトラリーについては全国の店舗にて、店内利用時にはステンレス製のリユース可能なカトラリー、テイクアウト時には100%植物由来のカトラリーにて提供する。店内利用は3月末頃、テイクアウトは3月中旬ごろから順次開始。

店内利用ではこれまでも、ステンレス製フォーク、ステンレス製ナイフを導入しており、加えてステンレス製ヨーグルト用スプーンを導入し、リユース可能なカトラリーでの提供を徹底する。店内樹脂製グラス導入店舗では、ステンレス製マドラースプーンも導入する。

テイクアウト時には、100%植物由来で、海水中で生分解する認証「OK Biodegradable MARINE」を取得している“Green Planet”製カトラリーを使用。海水中(30℃)で、生分解度が6カ月以内に90%以上になることが認証されている。対象資材はフォーク、ナイフ、マドラースプーン、ヨーグルト用スプーン。

これらの変更により、使い捨てカトラリー使用量を年間最大約44%の削減につなげるとともに、年間約60トンの石油由来のプラスチック削減を見込む。

スターバックス コーヒー ジャパンでは、2030年までに店舗や工場から出る廃棄物を50%削減することを目標に掲げており、これまでも様々な取り組みを行なっている。

廃棄物削減を推進するためには、利用者に伝える立場となるスタッフの共感が重要であるという考えから、有志参加のラウンドテーブルや、店長会でのセッション、教育プログラムへの組み込みを実施。スタッフの「自分ごと化」をベースとして利用者への協力や感謝の言葉を伝えられるようになることを目指している。

このような取り組みにより、環境配慮型店舗グリーナーストア1号店「皇居外苑 和田倉噴水公園店」において、カップリユース率が平均70%以上となっているという。こういった成果を全国店舗へ広げ、プラスチック素材を含めた使い捨て資材を極力減らす新たなカフェスタイルを利用者とともに浸透させることを目指す。