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Fire TV内蔵テレビが日本上陸。アマゾン×ヤマダ 5.5万円~
2022年2月17日 12:00
Amazonとヤマダホールディングスは、Fire TV搭載の「FUNAI Fire TVスマートテレビ」を3月5日から順次発売する。日本の放送に対応した液晶テレビを32型から55型まで4モデル展開する。価格は54,780円~142,720円で、全国のヤマダ電機とAmazon.co.jpのヤマダデンキで独占販売する。予約受付開始は2月17日から。32型のみ4月から発売となる。
Prime Videoなどのストリーミングサービスに対応できる「Amazon Fire TV」シリーズの機能をテレビに“統合”したFire TV搭載テレビ。テレビ放送とFire TVの動画・音楽サービスをシームレスに楽しめる点が特徴で、Fire TV搭載テレビは海外では販売されていたが、日本展開は今回が初。開発・製造は船井電機で、FUNAIブランドのテレビとして販売する。
4Kテレビの「F340シリーズ」は、55/50/43型の3モデル展開で、4K/3,840×2,160ドットの液晶パネルと独自の画質エンジン「クリアピクス2」を搭載、HDR映像にも対応する。チューナーはBS 4K×2、BS/CS×2、地上デジタル×2でUSB HDD録画に対応する。USB HDDは別売。スピーカー出力は10W×2ch。
32型の「FL-32HF140」は32型1,366×768ドット液晶パネルを搭載し、チューナは地上/BS/110度CSデジタル×2。USB HDD録画に対応する。スピーカー出力は8W×2ch。
32型HD「FL-32HF140」:54,780円
43型4K「FL-43HF340」:109,780円
50型4K「FL-50HF340」:120,780円
55型4K「FL-55HF340」:142,720円
テレビ放送とネット動画をシームレスに
特徴は、Fire TVの機能を統合したこと。Fire TVのメインメニューでは、通常はPrime VideoやNetflixなどのアプリやコンテンツなどから見たい番組を選ぶ形となるが、今回のテレビでは、地デジやBSなどテレビ放送のチャンネルもメインメニュー上から選択できる。
一般的なテレビにFire TVを接続した場合、チューナとHDMI入力の「入力切替」が必要となるが、Fire TVを内蔵したことで、メインメニュー上でテレビ放送のサムネイルと動画プレビューが表示され、チャンネルを選ぶだけで放送中の番組の中身がわかる。「テレビとストリーミングの垣根を超えて番組を見られる」とする。
一般的なテレビと同様の番組表(EPG)も備えており、EPGからの録画予約にも対応する。録画番組もFire TVのメニューからアクセスして再生できるなど、Fire TVの機能とテレビ放送の機能を統合した点が特徴となる。
また、Fire TVへのログインは6つまでのプロフィールを登録できるため、家族皆のプロフィールや個人ごとのプロフィールなどを選んで利用可能。プロフィールごとに「見ていたチャンネル」「視聴中のコンテンツ」などを記憶して、次の利用時に呼び出せる。
音声アシスタントの「Alexa(アレクサ)」も統合し、音声だけでテレビのチャンネル変更も可能。「アレクサ、テレビ朝日に変えて」、「アレクサ、NHKを見せて」といった音声操作でチャンネルを切り替えられる。
テレビ放送やPrime Videoのほか、Netflix、YouTube、DAZN、TVer、Disney+、Hulu、ABEMAなどのサービスに対応。音楽・ゲーム・レシピなどのアプリも追加できる。また、Prime Videoなどの配信コンテンツだけでなく、録画番組もアレクサから音声検索できる。
リモコンは、Fire TVシリーズ用のボタンとテレビ用のチャンネルボタンなどを備えた専用デザインのもの。円形の「ナビゲーションボタン」だけで基本操作が完結するなど、Fire TVユーザーとテレビユーザーが使いやすい形を採用した。最上部にAlexaボタンを備え、ボタンを押しながら「テレビ朝日に変えて」などの音声操作が可能。また、Prime VideoとNetflixのダイレクトボタンも装備する。
Alexaスキルを使ったカメラや照明のコントロールにも対応。また、対応するEchoシリーズとペアリングし、Alexaに話しかけてハンズフリーでテレビを操作することもできる。
HDMI入力は3系統。Bluetooth音声出力(ヘッドフォン対応)やIEEE 802.11ac無線LANなどを搭載する。OSのサポート期間については、「年数については差し控えるが、購入いただいて長くお使いいただける」(Amazon Fire TV事業部長 西端明彦氏)としている。
テレビであることにこだわり
ヤマダホールディングスの山田昇会長は、「以前はAmazonを警戒していたのでは?」との質問に対し、「確かに警戒していた。ただ、一緒に製品を販売をする中で、『お客様第一』という方針では我々は共通している」と言及し、「withコロナという状況で、お客様に価値を認めていただける“いいもの”がタイミング良くできたと思っている」と説明した。
ヤマダHD取締役兼執行役員の村澤圧司氏は、「ヤマダは単にテレビを売るだけでなく、テレビを見るために最適な環境をお客様に提案する流れを進めている。家具や電動ソファなど、テレビを快適に見ていただく視聴環境を整えて提案することが我々の使命。重要性を増しているストリーミングにおいて、コンテンツや技術力を持つアマゾンと協力して進めることは、両社にとって合理的な判断だと考えている」と今回のパートナーシップについて説明。Fire TV搭載テレビについては、「テレビの視聴スタイルは変わってきているが、最大のキラーコンテンツはテレビ番組。テレビであることにこだり、テレビとストリーミングをシームレスに楽しめる製品として提案する。日本のテレビ放送対応やUSB HDD録画機能など、日本独自の機能のために多くの開発を行ない、専用のSoC(システムオンチップ)も開発した。長年のパートナーである船井電機に開発・製造を委託することで新製品を生み出すことができた。テレビをより便利に、幅広い世代の人にお楽しみいただける製品ができたと考えている」と製品コンセプトを語った。
ターゲットの顧客層は、「世代を問わず、新しくテレビを購入する方を中心と考えている」としており、
販売は全国ヤマダデンキのほか、ベスト電機、大塚家具などヤマダHDグループの1,000店以上と、ヤマダウェブコム、Amazon.co.jpのヤマダデンキストア。Amazonの倉庫・物流拠点を活用するフルフィルメント by Amazon(FBA)をヤマダデンキが活用する。
初年度の販売目標は25万台。販路については「多くの方に届けたい。店頭とAmazon、ネットの構成比はまだ未定。初動を見てから計画を決めていく」(村澤取締役)とした。
今後のテレビ以外のパートナーシップの拡大について、山田会長は「人の生活には、衣食住が必要で、くらしの領域の可能性は大きい。我々は、家電の中からくらしを発展させていきたい。アマゾンとの協業でさらにイノベーションを発揮し、これからの時代を先取りできるような提案が可能になる。ハードウェアだけではなく、きっかけにいろいろと取り組みたい」とした。
アマゾンジャパン合同会社のジャスパー・チャン社長は、「共通しているのは、お客様を大事にすること。可能性はたくさんある。それぞれの強みがあって、ヤマダHDは販売ネットワークや販売員の知識、さまざまなことをお持ちで、Amazonはテクノロジーとイノベーションという強みがある。我々は、テクノロジーを無意識に生活の中に入れていくことで、結果として、生活を便利、もっと楽しく、もっと幸せにを目指していきたい。そういうものがあればいい。まずはFire TVスマートテレビ。これを成功させて、新しい生活様式に貢献したい」と述べた。
FUNAI Fire TVスマートテレビの発売を記念して、3月4日の23時59分までにAmazon.co.jpのヤマダデンキで予約注文すると特別価格で販売。43型「FL-43UF340」が76,780円、50型「FL-50UF340」が87,780円、55型「FL-55UF340」が109,780円と、2.2~3.3万円の値引きとなる。