ニュース
東京駅に次世代型全自動コーヒーマシン登場。バリスタの5倍の速度
2021年12月8日 18:17
JR東日本は8日、シンガポールのCrown Technology Holdings(以下Crown)と連携し、Crownが開発した次世代型全自動コーヒーマシン「Ella」を活用したコーヒーサービスのテストマーケティングを開始し、報道陣に公開した。
今回のテストマーケティングでは、Ellaを東京駅と横浜駅に設置する。設置場所は、東京駅が改札内地下1階の銀の鈴広場、横浜駅が中央改札内のカフェ「JRE MALL Cafe」店舗内。営業時間は、東京駅が午前7時から午後10時、横浜駅が午前7時から午後9時で、設置期間は12月8日から2022年2月28日までとなる。
東京駅に設置されるEllaは、完全自動のスタンドアローン型マシン「Ella X」で、コーヒーの注文から抽出、提供まで完全無人で行なわれる(横浜駅のEllaは、インテグレーション型の「Ella Y」で、横浜駅構内のカフェ店舗内への設置となり、完全無人対応ではない)。Ella Xでは1時間あたり200杯のコーヒーを抽出可能で、これは人間のバリスタが抽出する場合の5倍ほどのスピードになるという。
注文はEllaに用意されているタッチパネル、または専用のモバイルオーダーアプリ(iPhone、Android対応)を利用し、タッチパネルでの注文時にはSuica(交通系ICカード)、モバイルオーダーアプリでの注文時にはクレジットカードでの決済となる。これによって、注文から決済、商品を受け取るまで、無人での対応を実現している。
また、モバイルオーダーアプリ利用時には受取時間も指定できるため、スムーズな受け取りが可能となる。価格はアメリカーノ300円、カフェラテ380円など。
Ellaはコンパクトなサイズとなっており、駅構内の空きスペースなどの狭小地に設置してサービスを提供できる点も特徴。東京駅に設置されるElla Xのサイズは3×1.7m(幅×奥行き)で、接地面積は約5m2ほどしかない。それでいて、マシン内部にはデロンギ・ジャパンの業務用コーヒーマシン「カメオ C'2m」が3台設置され、本格的なカフェ同等の高品質なコーヒーが提供される。
本格的なコーヒーとエンタメ性で”エキ”サイティング体験
JR東日本 常務執行役員の表輝幸氏は、今回のEllaの設置について「JR東日本
進めている『Beyond Stations 構想』に沿った取り組みのひとつ」であり、「海外のベンチャー企業と共同で取り組む施策の第1弾」だと説明。そのうえでEllaについて「非接触、非対面で安心、安全、便利に本格的なコーヒーが味わえる、画期的でエンターテインメント性の高いサービス」であると高く評価した。そして、「駅だけに、”エキ”サイティング、”エキ”セレントなサービスを、今後もどんどん取り組んで行きたい」と抱負を述べた。
Ellaを開発したCrownのKeith Tan CEOによると、CrownとJR東日本は2020年12月に提携し、その後双方が協力してSuica(交通系ICカード)の決済システムを盛り込むなどの開発を行なってきた。その間、シンガポールと日本の文化の違いによる壁を、お互いが妥協しながら乗り越えつつ、今回のテストマーケティングにこぎ着けたそうで、その取り組みは「非常にやりがいがあり、楽しいものだった」と回想。そして、「今後、飲食業界や小売業界はAIを活用した自動化が進み、日常生活のどこにでも存在するようになる。それにより、業界や社会がより良くなっていく、そして我々とJR東日本が手を組んで素晴らしい未来を作っていくことに貢献できると信じている」と述べた。