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IHI、踏切で倒れた人も検知可能な三次元監視装置
2021年11月18日 18:40
IHIは、JR東日本と共同開発した、高機能化版三次元レーザレーダ式踏切障害物検知装置(3DLR障検)を、国内の鉄道会社向けに販売開始した。踏切全体を監視可能で線路に転倒した人も検知できる。
2019年からJR東日本で展開していたもので、リアルタイムで踏切内を三次元的に監視することが可能な装置。他方式の装置と比較して、検知エリアを広くかつ柔軟に設定でき、より小さな物体も検知できる。高機能化版では、IHI独自のアルゴリズムを用いてソフトウェアを改良している。これにより、高齢者や電動車いすユーザーなど、交通弱者が踏切内部に取り残される事故の防止に役立てる。
従来は小動物などによる過剰な検知を抑えるため、地面に近い場所はセンサーの検知エリアから除外していたため、人が転倒しても検知がしづらかった。機能強化により、人が転倒したことを検知すると倒れた箇所の検知エリアを広げることで検知を継続できるようにした。
路面の凹凸に応じた立体的な検知エリアを設定可能。斜面・かまぼこ状・すり鉢状など、踏切に凹凸がある場合での検知性能を向上させた。従来の3DLR障検の検知エリアは平面的だったが、高機能化版では測定した3Dデータ(凹凸マップ)を検知エリアとして利用できる。
路面変化に合わせて凹凸マップの高さを自動追従する「路面凹凸自動追従機能」も開発中。これまで積雪地域では、冬季の積雪を物体として検知してしまうことがあったが、同機能により一定の積雪量であれば積雪の検知を防ぎ、転倒検知の利用も可能になる。
降雪・降雨などの浮遊物の検知を防ぐ、ノイズ除去機能も強化。従来の小さな物体を検知できるという特長を維持しつつ、降雪・降雨時での過剰な検知を大幅に削減し、多様な環境での信頼性が向上した。