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nanaco、ついにApple Pay対応。iPhoneで支払える

セブン&アイグループの電子マネー「nanaco」が21日からApple Payに対応した。これにより、従来のプラスチックカードだけでなく、iPhoneやApple Watchでもnanacoでの支払いが可能になる。

対応のiPhoneはiPhone 8、iPhone SE(第2世代)以降で、iOS 15以上。Apple Watchは、Apple Watch Series 3以降でwatchOS 8以上に対応する。

Apple Payのnanacoは発行無料。カード取り込みも

セブン-イレブンやイトーヨーカドー、ヨークマートなど、セブン&アイグループを中心に利用できる電子マネー「nanaco」がApple Payに対応。従来のプラスチックカードのnanacoは発行手数料300円だが、Apple Payのnanacoは無料。

iPhoneでnanacoアプリをダウンロードし、アプリからnanacoの新規発行が可能。また、プラスチックカードのnanacoを持っている場合は、iPhoneのウォレットアプリからカード情報を取り込んで、引き継げる。

カードからウォレットに転送

チャージ方法は、クレジットカード、Apple Pay、現金(セブン銀行ATM、お店のレジ)。

クレジットカードは、nanacoアプリに登録したセブン&アイグループの「セブンカード・プラス」にのみ対応する。この場合のみ、オートチャージが可能となる。他社のクレジットカードはApple Payからのチャージとなり、MastercardとJCB、アメックスのカードに対応。Visaカードはセブンカード・プラス以外は、Apple Payでも利用できず、「対応を検討中」としている。

現金のチャージはnanacoアプリとウォレットアプリから行なえる。レジでチャージを依頼するか、セブン銀行ATMを利用する。チャージ金額は1,000円から1,000円単位で設定できる。

nanacoアプリでカード新規発行
カードの追加
チャージ

お店で「nanacoで」 Apple Watchでも支払い

iPhoneやApple Watchでの支払い時は、お店で「nanacoで」と伝え、iPhoneの場合サイドボタン(Face ID端末)をダブルクリックしてApple Payを起動し、nanacoのカードを選択し、レジにタッチする。iPhoneとApple Watchで「メインカード」に指定しておけば、カードを選ばずにかざして支払える。

残高・履歴の確認も可能で、iPhoneのウォレットアプリでは、当日分の履歴まで50件が確認できる。nanacoアプリは、前日の履歴までで3カ月分が表示される。

Apple Watchでは、nanacoの支払いのほか、ウォレットアプリから現金チャージ、Apple Payチャージ、残高確認が行なえる。

iPhoneでの支払い
Apple Watchでの支払い

キャンペーンの特典など「センター預かり」となる「ポイント」は、nanacoアプリから受取可能。受け取ったポイントはnanacoの電子マネーに反映できる。iPhoneでの機種変更やAndroidへの機種変更にも対応する。

プラスチックカードの「nanaco」と「Apple Payのnanaco」で、基本的な支払いやチャージにおける機能差や変更はない。「モバイルではチャージ残高が見えたり、Apple Payではポイントからバリュー(マネー)へそのままチャージできる、同じデバイス内でApple Payからチャージできるなど、一つのデバイスで完結できる点で、より便利になる。グループアプリ連動も一つのデバイスの中でできるので、この点も便利になると考えている(セブン・カードサービス 執行役員 電子マネー事業本部長 神谷智行氏)」。

nanacoポイントは、利用200円で1ポイント貯まるほか、セブン&アイグループでは、セブンマイルも200円で1マイル貯めらえる。さらにApple Pay対応により、「アプリで新規発行・簡単チャージ」、「生体認証によるセキュリティ」、「ポイントの電子マネー交換」などの特徴を追加。より便利なサービスとして、Apple Payのnanacoを訴求していく。

なお、セブン-イレブンアプリやイトーヨーカドーアプリ、オムニ7アプリなど、セブン&アイグループアプリにnanaco番号を登録している場合、iPhoneやApple Watchにnanacoカードを取り込んだり、Androidから機種変更すると、nanaco番号の登録(変更)手続きが必要となる。登録(変更)を行なわないと、変更後のnanacoで支払いしてもマイルは付与されない。

nanaco対応店舗

iPhoneユーザーにnanacoを

コロナ禍以降、非接触での決済を求める声が高まり、nanacoの会員数も増加している。2021年7月時点の発行会員数は7,400万人、加盟店数は80万店となっており、2020年1月との比較では会員数で約7%、店舗数で約20%増加した。

これまでの電子マネー「nanaco」は、プラスチックカードとAndroidのおサイフケータイで展開していたが、iPhoneやApple Watchに対応してほしいという声も多かったという。

セブン・カードサービス 水落辰也社長は、「ついにこの日を迎えることができた。本日nanacoがApple Payで使えるようになりました。Apple Pay対応により、新たなユーザー獲得を目指す」と語った。nanacoにおけるおサイフケータイ(Android)利用は、全体の約1割。「新たにiPhoneユーザーに使っていただきたい」としている。

なお、セブン-イレブンアプリでは、PayPayを統合しており、アプリ内でPayPayに誘導しているが、「他の決済を排除することは一切予定していない。継続しながら、nanacoをグループの共通決済としてサービス性をより高めていく」(神谷氏)としている。