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ファミマの新ブランド「ファミマル」。お母さん食堂は終了

ファミリーマートは、新たなプライベートブランドとして「ファミマル」を立ち上げ、これまでの「ファミリーマートコレクション」「お母さん食堂」を、「ファミマル」に統合する。ファミマルブランドの商品は、10月19日から全国のファミリーマート約16,600店で順次展開する。

これまでファミリーマートでは、ファミリーマートコレクションで日用品、菓子、加工食品、飲料などを、お母さん食堂で惣菜、日配品、冷凍食品などを展開していた。ファミマルにてこれらを統合し、従来のプライベートブランドで展開している約660種類の商品は、来春までにファミマルに切り替える。同時に、おむすび、弁当、サンドイッチ、うどん・そば・ラーメンなどの中食商品もファミマルブランドとし、ラインアップは合計約810種類となる。

飲食料品から日用品(上段奥)まで、ファミマルでは幅広くラインアップする

お母さん食堂のブランド変更について、ファミリーマート CMO兼マーケティング本部長 足立光氏は、「お母さん食堂についてたくさんの意見があった」としつつも「高校生によるジェンダーの意識に関する署名活動とは関係ない」と説明。老若男女、すべての世代に幅広く受け入れられる名前・コンセプト・パッケージを検討した結果が「ファミマル」だったという。

ファミリーマート CMO兼マーケティング本部長 足立光氏

また、ガパオライスやシュクメルリなど、お母さん食堂というブランド名とは一致しないような商品も展開していたこと、ファミリーマートのプライベートブランドとして認識されづらいことを変更の理由に挙げた。

一方でファミリーマートコレクションについては、おいしさや安心・安全などの商品に対するこだわりが、「コレクション=集める」というネーミングでは伝わらないと考えたという。

従来の両ブランドは「おいしさ」「安全・安心」といったコンセプトが共通しており、また利用者にとっても1ブランド展開のほうがわかりやすいことから、ブランドを統合。その上で、既存ブランドへの統合ではなく新しいブランドを確立することとした。

新ブランドでは、ファミマのPBだとすぐわかるネーミングとしてファミマルを採用し、ロゴでもファミマのブランドカラーを使用している。また、ロゴではファミマが自信を持って薦めるクオリティを伝えられるよう、「二重丸品質」を表現するとともに、あらゆる世代に理解できるスマイルマークを採用した。

ファミマルではカテゴリーとして、「ファミマル」「ファミマルKITCHEN」「ファミマルKITCHEN PREMIUM」の3つを展開。ファミマルはファミリーマートコレクションを引き継ぎ、商品数は加工食品、菓子、日用品、飲料など約350商品。ファミマルKITCHENはお母さん食堂を引き継ぐとともに弁当、調理パン、調理めんなどの中食商品も含めて約450商品、ファミマルKITCHEN PREMIUMはお母さん食堂プレミアムを引き継ぎ約10商品を展開する。

ファミマルKITCHEN PREMIUMとして展開する「鉄板焼きハンバーグ」(盛り付けイメージ)。価格は398円
ファミマルKITCHENとして展開する「痺れて旨い!四川風麻婆豆腐」。価格は358円
ファミマルとして展開するドリンク類

パッケージデザインは、「F-universal」というデザインコンセプトで設計。Fには、誰にとっても(FAMILY)、楽しく(FUN)という意味を込めている。

わかりやすさの面では、アイコン・アイキャッチを活用。産地や製法、環境への配慮などの情報をアイコンで表示すると同時に、最もおすすめしたい要素をアイキャッチとしてカラーで大きく表示する。アイコンでは、どんな特徴のある商品なのか、どのような点で安心して買える商品であるかを直感的に認識できるよう工夫しているという。

パッケージデザインは、全体の印象が「円(マル)」となるよう、真俯瞰から撮影した写真で統一。味の種類や商品カテゴリの違いに応じてパッケージの色を変え、利用者にとってわかりやすいとともに、スタッフにとっても陳列しやすく、働きやすくすることを狙いとしている。

そのほか、商品名には英訳を併記。海外からの来日客に対しても伝わりやすい商品を目指す。

鍋焼うどんの例

ファミリーマート 代表取締役社長 細見研介氏は、プライベートブランドを大々的にリニューアルすることは、変化をし続けるという意思表明であると強調。消費者の価値観やライフスタイルが変化していく中で、「あなたとコンビに」なり続けられるよう変化に対応すると述べた。

現在のプライベートブランドの売上比率は約30%だが、ファミマルでは2024年度末の売上比率を35%以上とすることを目指す。

ファミリーマート 代表取締役社長 細見研介氏

業界「No.1」を目指すためのコミュニケーション計画

ファミリーマートでは、「負けていたのは、イメージでした。」というタイトルで新聞広告を掲載。“業界1位の会社”との比較調査の「どちらのコンビニのハンバーグがおいしいと思いますか?」という質問に対する、イメージと試食後の感想の差を打ち出している。

この結果から、試食後の感想に比べて「おいしい」イメージが少ないのは、伝える努力が足りなかったものとし、屋外や駅での広告を展開。渋谷ハチコーボードで「そろそろ、No.1を入れ替えよう」と大々的に告知するほか、新宿、梅田、名古屋、博多、札幌の5都市で駅貼り広告を展開する。そのほか、テレビ、新聞、交通などで広告展開予定。

新宿駅の駅貼り広告
店頭ポスター

発表会では、ゲストとしてテレビCMに出演する玉木宏さん、吉田鋼太郎さん、八木莉可子さんが登壇。それぞれファミマルの、「バターの香り広がる!海老グラタン」、「痺れて旨い!四川風麻婆豆腐」、「じゅわっと肉汁!!!鉄板焼ハンバーグ」を試食した。

(左から)吉田鋼太郎さん、玉木宏さん、八木莉可子さん