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ソフトバンク5Gは、Pixel 6 Proなど“独占”と体感速度を強化
2021年9月14日 15:28
ソフトバンクは14日、新サービスや5Gのサービスエリアなどに関する発表会を開催し、5Gサービスエリアの拡大やSoftbank Airの5G対応などについて紹介した。
今回の発表は、ソフトバンクブランドが中心で、ワイモバイルやLINEMOの新施策はないが、各ブランドにおいて5Gプランを4Gと価格差なく提供し、3ブランド合計で5Gが1,000万契約を達成。料金プランの「わかりやすさ」を訴求していく。
5Gは10月に人口カバー率80%。「パケ止まり」対策を強調
5Gのエリア展開は、9月13日時点で人口カバー率59%超、基地局数1万4,000局。10月末までに人口カバー率80%、基地局数2万局を達成予定としている。
5Gのトラフィックは、2020年8月比で約200倍に増加した。一方、課題となっているのが、「パケ止まり」という現象。5Gのサービスエリア拡大の中で、ソフトバンク以外のキャリアにおいても5Gの基地局から離れた場所や電波が弱くなるエリアで、一瞬通信が途切れる「パケ止まり」が発生することがある。
この要因は、5G基地局の密度不足に伴い、端末が電波が弱い環境でも無理に5G接続しようとするため。ソフトバンクは「5G拡張期における深刻な問題」と説明しており、5Gと4Gそれぞれの電波状況に応じ、システムを最適に組み合わるシームレスなネットワーク構成とし、パケ止まりを抑制。3社の比較では、特に上りにおいて、ソフトバンクが高い速度を維持できるなど、5Gにおける体感速度の速さをアピールした。
また、5Gの基地局をクラウドに収容して展開。今後全国で5Gの周波数帯によるCA(キャリアアグリゲーション)を提供可能になり、より快適な5Gサービスを利用できるとする。2022年春には5G人口カバー率を90%まで拡大する。
Pixel 6 Proなど“独占”強化
スマートフォン端末や料金プランの発表はなかったが、“予告”として、Googleの「Pixel 6 Pro」の独占販売も発表。Pixel 6 Proは、Android 12と新しいTensorチップを搭載するGoogleのフラッグシップスマートフォンで、日本においてはGoogle直販以外ではソフトバンクが独占供給となる。
またバルミューダの5Gスマートフォンも通信事業者としてソフトバンクが独占販売する。詳細は明かしていないが、11月以降に発売する。
なお、キャリアとして独占供給となるが、他キャリアの回線でも利用できる。また、10月からはSIMロックが原則禁止される。
「新規加入獲得策」としての端末独占はあまり意味がないように見えるが、ソフトバンクは端末の独占提供を強化していく方針を示している。「いまでも多くの人は(回線と)一緒に契約している。また、“独占的”というと排他的と思われるかもしれないが、パートナーと深く情報を交換しながら進められるため、中長期的なメリットはある。ベンダーと新しい試みを一緒に進められることが大きい」(ソフトバンク 榛葉淳 代表取締役 副社長)とした。
「メリハリ無制限」加入でYouTube Premiumが半年無料
料金プランにおいては、ソフトバンクの「メリハリ無制限」加入者に「YouTube Premium」を6カ月間無料、7カ月目以降は25%オフとなる月額880円(通常は1,180円)で利用できる特典を、2022年以降に提供する。
YouTube Premiumは、YouTubeを広告無しで、オフライン再生やバックグラウンド再生も楽しめる有料サービス。音楽配信サービスのYouTube Musicもセットとなっている。適用条件は、My SoftBank内の専用ページから「YouTube Premium」の申し込みが完了していることと、Google アカウントを持っていること。すでにメリハリ無制限に加入している人も対象となる。
SoftBank Airが5G対応
固定回線を導入せずに、家庭向けのインターネット環境を構築できる「Softbank Air」は5Gに対応。ホームルーターの新機種「Air ターミナル 5」を10月から提供開始する。一括払いの価格は71,280円。36カ月の利用で「実質0円」としており、月月割により、SoftBank Airの月額基本料金から1,980円を36カ月間割り引く。
Softbank Airの新料金プラン「Air 4G/5G 共通プラン」は月額5,368円で、データ容量制限無し。9月15日から受付開始し、10月1日から5G通信を提供開始する。
SoftBank Airが5G対応。新ホームルーター「Air ターミナル5」
また、ソフトバンク内のサービス連携として、ソフトバンク契約者に限定した「スーパーPayPayクーポン」を10月からスタート。ソフトバンクのユーザーが「ソフトバンクで毎日オトク」を実感できる環境を整備していく。
Bリーグ観戦を「顔認証」で完結
5G Labでは、スポーツ競技観戦におけるテクノロジー展開を行なう。バスケットボール「Bリーグ」の開幕戦では、顔認証を全面的に使った観戦サービスの実証実験を展開。バスに乗るときから会場への入場、飲食、選手からのメッセージ、ラウンジ利用などのすべてを顔認証で完結できるという。
新たな取組として、スポーツ競技力向上をサポートする「スポーツテック」サービスを2021年度中に開始する。さまざまなジャンル、動作のお手本動画を視聴でき、骨格推定技術やAIを用いた分析により、スマートフォンを使って、お手本動画と撮影した自分のフォームを比べて動作が異なる部分を学び、自分のフォームを直すことができる。
野球やサッカー、バスケットボール、ダンス、ゴルフなどの競技に対応予定で、競技経験のない部活動顧問のサポートや、指導者不足に対応。アプリの全体監修とお手本動画の制作は、筑波大学アスレチックデパートメントが協力。プロゴルファーの星野陸也選手も協力する。
なお、13日にはKDDIがpovo2.0として、「月額0円から」という新しい料金施策を発表した。榛葉副社長は、「色んな観点から新しい試みで、オンライン専用ということで興味深く拝見した。選択肢が増えることは競争の観点から素晴らしいことで、我々もいろいろな検討はしており、LINEMOは2カ月前に3GBで900円を、ワイモバイルも繰越・増量などの発表を発表している。ただ、今日はソフトバンクブランドにフォーカスした。5Gが来月には80%となるのでソフトバンクブランドでできることを紹介したいと考えた。5G時代はデータ利用が増える。ソフトバンクでは、容量を気にしたり、Wi-Fiスポットを探すといったことがなく、満足して使えるということを優先していく。当然ワイモバイル、LINEMOについてもユーザーの声を聞きながらいろいろ考えていきたい」と応じた。