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マイナンバーカードを基盤にデジタル社会推進。12月に「新重点計画」

発言する菅総理(出典:内閣官房)

政府は6日、第1回デジタル社会推進会議を開催し、デジタル庁の推進体制や今後のデジタル改革の進め方について議論を行なった。スマートフォンによる行政手続きや、マイナンバーカードの普及を推進していく。

「国民向けの行政サービスのデジタル化」「くらしのデジタル化」「産業全体のデジタル化とそれを支えるインフラ整備」などの基本的な方針を整理している。

行政サービスのデジタル化については、新型コロナ対策など緊急時の行政サービスのデジタル化を推進。コロナ禍では、給付金の支給遅れなどの課題が発生したが、マイナンバーカードを利用した公金受取口座の登録を早期に開始することで、緊急時の給付・事務処理の迅速化を実現する。

また、ワクチン接種証明のスマートフォンへの搭載も早期に実現。マイナンバーカードの活用を想定している。加えて、ワクチン接種事務のデジタル化も推進する。

マイナンバーカードの普及率は37.2%(8月23日時点)だが、「デジタル化の基盤」として普及と活用に務め、「マイナポータル」も強化していく。10月からは、マイナンバーカードの健康保険証としての利用を開始し、特定健診情報や薬剤情報を閲覧できるようにする。また、2023年度には、マイナンバーカードの電子証明書のスマートフォン搭載や、全市町村における子育てなどの主要手続のオンライン申請対応を予定している。

さらに、次期通常国会では、社会保障・税・災害の3分野以外に情報連携を拡大し、各種添付書類の省略を実現する。

これらの実現のためのシステム整備にも着手。政府ウェブサイト、マイナポータルの標準化・統一化を進めるほか、霞が関のシステムの統合・一体化など、国の情報システムの刷新を加速化する。

くらしのデジタル化については、デジタル庁で全体像を描き、くらしを変えるデータ連携の実現を目指す。医療、教育、防災、モビリティ、契約・決済等の分野において、デジタル化やデータ連携を推進する体制を構築。医療分野ではオンライン診療を進めるほか、国民が自らの健康情報を電子記録として正確に把握できる仕組み(PHR)の提供を目指す。

教育ではIT利用の強化やデジタルコンテンツの活用を推進。防災では、関連情報データ連携のためのプラットフォーム整備などに取り組む。

産業のデジタル化では、5Gインフラ整備や半導体製造拠点の国内立地や技術開発の支援などを行なうほか、データセンターの偏在をなくし、国内5カ所程度に拠点を整備する。

法人向け行政サービスにおいても、法人向けオンライン認証の普及を推進するほか、商業登記電子証明書についてクラウド化、無償化の可否の検討を進める。

今後は、デジタル庁創設後初めての「重点計画」を12月中下旬の閣議決定を目指して策定。2022年から順次重点計画の実行に着手する