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ヤフー、コメントの質評価AIを無償で他社提供。NewsPicksなど

ヤフーは、深層学習と自然言語処理(AI)によりコメントの質を評価する「建設的コメント順位付けモデル」のAPIを「NewsPicks」、「攻略大百科」、「ママスタコミュニティ」に無償提供したと発表した。

このAIモデルは、「Yahoo!ニュース コメント」の健全化を目的に導入。「客観的で、必要であれば根拠を提示している」、「新たな考え方や解決策、見識を提供する」などの条件を満たす「建設的」なコメントを点数化できる。現在、このAIモデルについて複数の特許を出願している。

ヤフーは2020年9月に、コメント投稿機能を実装しているサービスを提供する国内法人に限定し、このモデルのAPIの無償提供を開始していた。その取り組みにより、NewsPicks、攻略大百科、ママスタコミュニティへの導入が行なわれた形。

NewsPicksは、ニューズピックスが運営する経済ニュースメディア。ニュース記事に著名人や有識者を含むユーザーがコメントを残すことができる。APIについて、利用規約に反する発言の発見補助として活用する。

攻略大百科は、ゼンダーが運営するゲーム攻略サイト。コメント欄でユーザー同士の意見交換がなされている。APIを活用して、「おすすめ順」タブを作り、スコアのよいコメントを優先的に表示させる。

ママスタコミュニティは、インタースペースが提供する母親同士の交流サイト。人的パトロールによるコメント監視の際、不適切な内容に対する検知精度向上のため、AIが算出するスコアを使用する。

このAIモデル開発の基盤となった「Yahoo!ニュース コメント」では、1日平均31万件以上のコメントがあり、人的なパトロールと「深層学習を用いた自然言語処理モデル」を利用して、誹謗中傷などの不適切な投稿を1日に平均で約2万件削除している。このモデルを利用して、先述の「建設的コメント順位付けモデル」を開発した。

「建設的コメント順位付けモデル」のAPIを利用することで、導入企業はコメントに付与されたスコアを利用して、コメント表示順の改善や、人的なパトロールの効率化、レコメンドなどの活用が可能となる。

ヤフーは、インターネット企業の社会的責任を果たすとして、このAIモデルについて透明性の確保や多様性の尊重に配慮をしつつ、APIをさまざまなサービス事業者に提供し、日本のインターネット空間健全化を目指す。