ニュース

からあげクンが牽引するローソンのデリバリー。Woltも参入

ローソンは、デリバリーサービス「Wolt」を、東京都内のナチュラルローソン13店舗で28日より導入する。これにより、ローソンのデリバリーサービスは、「Uber Eats」「foodpanda」と合わせて3社となり、導入店舗数は28都道府県1,569店舗となった。

サービス時間は9時から24時。取り扱い商品は弁当、おにぎり、麺類、フライドフーズ、デザート、ベーカリー、冷凍食品、おつまみ、飲料、酒類、カップ麺、日用品、雑誌など約400品目。

Woltは、フィンランド発のデリバリーサービスで、日本では現在13都道府県18都市でサービスを展開している。同サービスは女性の利用者が多く、ナチュラルローソンとの親和性が高いことから導入したという。

コロナ渦で急成長したフードデリバリー市場

ローソンはWoltの導入に伴い、同社が展開しているフードデリバリーサービスの現状と今後について記者会見を行なった。

2020年度の国内フードデリバリー市場は、新型コロナ感染拡大の影響から、前年比+50%の6,000億円規模に急成長している。しかし、ローソンでは、2019年8月にUber Eatsを都内4店舗で導入する実証実験を開始しており、元々参入を計画していた。当初のスケジュールでは、6月に約120店舗、8月に約900店舗、'21年1月に1,100店舗を計画していたが、新型コロナ感染拡大による緊急事態宣言などで需要が急増。実績としては4月約80店舗、5月約410店舗、8月約1,000店舗と、前倒しで店舗数が増加した。28日から始まるWoltによって、28都道府県1,569店舗での展開となる。

フードデリバリーサービスは元々、来店が難しい人々へのサービスとして検討していた。そこに、Uber Eatsや出前館などの需要が増えていたことをうけ、コンビニ商材がデリバリーニーズにマッチするのではないか、と仮説を立てたという。そこに、新型コロナの感染拡大が重なり、需要が急増。他社でもデリバリー需要が急拡大しており、当時はタブレット端末など備品の調達に苦労したという。

売上トップは「からあげクン」

売上は、サービス導入時と比較すると現在はその60倍。当初は取扱商品も約100品程度だったが、現在では約300~400品を扱い、食品だけでなく日用品や、一部店舗では医療品も取り扱っている。

デリバリーの人気商品は、「からあげクン」が常に上位を独占。多くの地域で「からあげクン レッド」が1位を獲得しているが、九州では「からあげクン 北海道チーズ」が1位だという。それ以外の商品では、デザートや牛乳、飲料などの販売数が多い。時間帯としては夕方以降のディナータイムや、土日祝日など休日の需要が高い。

今後は、新たなサービスとしてUber Eatsのお持ち帰りサービスにも対応。5月中旬より、東京都、埼玉県、千葉県の20店舗で開始する。お持ち帰りサービスはUber Eatsの既存サービスで、アプリから注文後、ユーザー自身が店舗に受け取りに行く。小売店としては初めての対応となる。

対応商品は店内で調理する商品がメインとなり、「からあげクン」や「鳥から」などの揚げ物、マチカフェ、アルコール、菓子、飲料など。注文を受けてから調理するため、できたての商品を受け取ることができ、欲しい商品が必ず手に入るのがメリット。

エリアの拡大も引き続き行なう。5、6月には北海道(旭川市、函館市)、7、8月に岐阜県、三重県、佐賀県、長崎県で展開し、その他エリアについても順次拡大する。

また、取扱商品についても、フライフーズのデリバリー専用商品を検討。店内商品とは規格違いの物を検討しており、例えば家庭向けとしてまとめ買いに向いた大容量のものなどを考えているという

2020年は新型コロナの影響での需要増となったが、海外との比較では依然、3倍の需要があるとしており、同社は7月に2,000店舗、年度内に3,000店舗への拡大を目指している。