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JR東、品川開発で出土の高輪築堤を一部現地保存。建物計画を変更

橋梁部の現地保存のイメージ

JR東日本は、品川開発プロジェクトエリア内で出土した高輪築堤について、2カ所を現地保存し、一部の建物計画を変更することを発表した。

高輪築堤は、品川開発プロジェクトの計画エリア内において出土した、約150年前の明治初期に鉄道を敷設するため海上に構築された構造物。高輪ゲートウェイ駅の西側、国道15号や泉岳寺駅近く等で出土した。

調査・保存のあり方については、考古学・鉄道史などの有識者で構成された高輪築堤調査・保存等検討委員会で議論・検討。下記のような文化財的価値の評価がなされた。

  • 日本の近代化土木遺産を象徴する遺跡として、重要な位置を占めている
  • 橋梁部(3街区)は、明治時代の錦絵に描かれた当時の風景をそのまま残しており、西洋と日本の技術を融合して造られたものと捉えることができる
  • 信号機土台部(4街区)を含む前後の築堤は、鉄道らしい景観を呈している

現地保存となるのは、橋梁部を含む約80mおよび公園隣接部約40m。また、信号機土台部を含む約30mを移築保存とする。

現在の橋梁部の様子
現在の公園隣接部の様子

橋梁部は、建設当時の風景をそのまま感じられるように公開。公園隣接部は、文化の発信拠点である文化創造施設と一体的に公開する。移築保存となる部分の移築先は、高輪ゲートウェイ駅前の国道15号沿いの広場を基本に、検討および関係者との調整を進めるとともに、移築保存にあたり記録保存調査を行なう。

公園隣接部の現地保存のイメージ
現在の信号機土台部の様子
国道15号沿いの広場に移築保存した場合のイメージ

現地保存・公開を進めるため、品川開発における建物などの計画変更を実施。まちづくりの中で築堤を保存・公開するにあたり、当時の築堤の景観を体験できる展示や、まちづくりの中で連続的に築堤位置を感じられる工夫をすることによる、築堤の価値の次世代への継承、地域の歴史価値向上と地域社会への貢献を目指す。

なお品川開発プロジェクトでは、「グローバルゲートウェイ品川」をコンセプトとしたまちづくりに向け、国際交流拠点として、オフィス、商業、ホテル、コンベンション、文化創造施設などの複合用途の導入を進める。