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セブンイレブン、ロボがオフィスに商品配送。エレベーターにも乗る
2021年4月21日 08:20
セブン‐イレブン・ジャパン、アスラテックおよびソフトバンクは、自律走行型配送ロボット「RICE(ライス)」を使用してセブン‐イレブンの商品をビル内へ配送する実証実験を、4月21日から本格的に開始する。三菱電機と東急不動産の協力のもと、ソフトバンクの本社が入居する「東京ポートシティ竹芝オフィスタワー」で行なうもの。
RICEが東京ポートシティ竹芝オフィスタワー34階のソフトバンクオフィスに隣接するセブン‐イレブン店舗の商品をオフィスの入口前まで運ぶ実証実験。同じフロアへの配送は1月18日から行なっていたが、今回はエレベーターと連携することで、ロボットが自律的にエレベーターに乗り込み、異なる階層へも商品を運べるようになった。
実験に使うRICEは1台で、1度に注文を行なえるのは1ユーザーまで。ロボットには複数のペットボトルや弁当を入れるスペースがあるため、複数人分をまとめて注文することもできる。
注文はセブン‐イレブンネットコンビニから行なう。1円から注文が可能で利用料は無料。対象商品は約550点。6カ所あるオフィスの入口を指定することで希望する場所まで届けてくれる。決済はクレジットカードのみ。
注文が入ると店員が商品をロボットに入れ、届け先の電話番号を入力。するとロボットが目的地まで移動する。
届け先が別の階の場合は、ロボットがエレベーターを制御して乗り降りをする。ロボットとエレベータの連携は三菱電機のIoTプラットフォーム「Ville-feuille(ヴィルフィーユ)」によるもの。また、安全性を考慮し、ロボットがエレベーターを利用する際はロボット専用として運用される。
目的地に到着するとロボットが利用者のスマホに到着メッセージと荷室のロックを解除するための解除コードを送信。利用者がロボットに解除コードを入力すると蓋が開き商品を受け取れる。なお、保冷機能は無いため、アイスクリームなどの配送には対応しないほか、たばこなど本人確認が必要な商品も現時点では対応しない。
実験期間は6月30日まで。実証実験によりサービスのニーズを探りながら今後の展開を模索していく。なお、セブン‐イレブンでは、人間によるサービス提供もブランド価値の一環と考えており、今回の実験はあくまで省力化のためのもの。全てのサービスをロボット化する予定は現時点ではないとし、今回の実証実験の延長上に無人店舗の展開などは考えて居ないという。
RICEは、香港のRice Roboticsが開発した自律走行型屋内配送ロボット。LiDARや超音波センサーなどを搭載し、人などの障害物を自動的に避けて移動できる。可搬サイズは、360×220×270mm(幅×奥行き×高さ/以下同)で重量は10kgまで。速度は時速0.4~4kmで、障害物などの状況に合わせて速度を変える。バッテリ駆動時間は8時間で充電時間は2時間。充電ステーションでの自動充電が可能。本体サイズは539.6×496×765.2mm。重量は55kg。