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サントリー、「やさしい麦茶」で「またあえるボトル」開始
2021年4月12日 13:29
サントリー食品インターナショナルは、ペットボトルの「ボトルtoボトル」リサイクルの動きを加速するため、「またあえるボトル」プロジェクトでリサイクルの有用性を発信。第1弾として、「GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶」にリサイクル素材100%のまたあえるボトルを採用し、リニューアル販売を開始する。
対象は、GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶の650ml/600mlペットボトル(140円)のすべての商品。水色のラベルへとリニューアルするとともに、裏面にまたあえるボトルのロゴマークを印刷する。
サントリーでは2030年までに、グローバルで使用するすべてのペットボトルをリサイクル素材あるいは植物性由来素材100%に切り替え、化石由来原料の新規使用ゼロを実現するという目標を掲げている。
その目標に向け2025年までに、国内におけるリサイクルペットボトルの使用比率を50%とするとしていたが、この計画を3年前倒しし、2022年までに達成するという。なお使用比率の2020年の実績は26%。
サントリーが進めているリサイクルの取り組みは、使用済みペットボトルを新しいペットボトルとする「ボトルtoボトル」。使用済みの原料を同じ種類のものに生まれ変わらせることを「水平リサイクル」という。
サントリーホールディングスの福本ともみ氏によれば、日本国内ではペットボトルのリサイクル率は高いものの、用途として食品トレーや繊維にリサイクルされることが多く、ペットボトルへリサイクルされるのは現状1割から2割だという。ペットボトル以外にリサイクルされた場合、数回でリサイクルの輪が途切れてしまうが、水平リサイクルであれば「半永久的にペットボトルとして循環できる」と説明した。
ボトルtoボトルを推進するうえで、「つくる」「つかう」「つたえる」「あつめる」の4つに取り組む必要がある。サントリーでは、「つくる」については協栄産業など4社共同開発によるリサイクルの一部工程を省く新技術「FtoPダイレクトリサイクル技術」で、CO2排出量約60%削減を実現。「つかう」についてはペットボトル飲料の26%がリサイクル素材100%となっている。
今後の課題とするのは「つたえる」「あつめる」の部分で、行政、業界団体、教育機関、消費者との連携、および、またあえるボトルプロジェクトにより、取り組みを強化していく。
サントリー食品インターナショナルの和田龍夫氏によれば、外に設置されるリサイクルボックスの分別では異物混入などの課題があるものの、家庭内では約9割が分別を実施しており、また約6割がボトルとキャップを分けて洗浄したうえでゴミ出しをしているという。
またペットボトルが洋服やペットボトル、食品トレーにリサイクルされることの理解も進んでいると説明。一方で、ペットボトルは何度も循環できることは理解されていないとし、ボトルtoボトルの大切さを伝えるために、またあえるボトルプロジェクトに取り組むと述べた。
GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶の650ml/600mlペットボトルを100%リサイクル素材とすることで、プラスチック資源約4,500トン削減、CO2排出量約6,200トン削減に繋げられるという。
また、ペットボトルは何度も循環する資源であることを伝えるコンセプトムービーを、4月12日に公開した。